「着メロを人前で鳴らすのは演奏に当たり、著作権侵害になる」という権利者団体の主張を、米裁判所が退けた。
米作曲家・作家・出版社協会(ASCAP)は、公の場で着メロを鳴らす行為は興行に当たり、携帯電話利用者は着メロを鳴らすたびに著作権法に違反していると主張していた。同団体はモバイルサービス事業者に対し、着メロの販売権に加えて、「演奏権」のロイヤルティーを払うよう求めていた。
米連邦地裁は10月14日、ASCAPの主張を棄却し、「たとえ公共の場であっても、携帯電話利用者が着メロを鳴らすことに著作権法上の法的責任は発生しない。携帯電話事業者も直接あるいは間接的な法的責任を負わない」との判決を下した。
米著作権法では、商業的利益を目的としない場合、公共の場での演奏は著作権侵害にならないとしている。裁判所は、「携帯電話利用者は、利益を期待して着メロを鳴らしているわけではない」としている。
米市民権団体の電子フロンティア財団(EFF)は、この判決は消費者の勝利であり、営利目的でない音楽の演奏は著作権を侵害しないことが明確に示されたと述べている。
「車の窓を開けたままカーラジオを流したり、ビーチでラジオを聴いたり、公園で子供のために『ハッピーバースデー』を歌ったりするような場合もこの判決が適用されるはずだ(ASCAPが以前、キャンプファイヤーを囲んで歌ったガールスカウトにロイヤルティーを要求したことを思い出してほしい)」(EFF)
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