ヤマダ電機が国内最大級の家電量販店「LABI1 日本総本店 池袋」が10月30日、JR池袋駅東口(東京都豊島区)にオープンする。百貨店跡地の約2万3000平方メートルにデジタル家電や白物家電から日用品、書籍まで約150万点を販売する都市型総合店で、「この店を見れば家電の全てが分かる。ヤマダ電機が持つ全てのノウハウを結集した」と一宮忠男社長は胸を張る。改装オープンする旧店舗と合わせ、年間800億円の売り上げを目指す。
「日本総本店」と名付けた同店のコンセプトは「この店見ずして家電は語れない」だ。
5月に閉店した旧三越池袋店跡地の地上7階・地下2階の建物を国内最大級の量販店に改装。かつて三越のシンボル・ライオンの彫像が置かれていた入り口から入る1階は、大小の薄型テレビやBlu-ray Discレコーダーが多数並ぶ専門フロア。2階は携帯電話やデジタルカメラ、3階はPCソフトとサプライ品、4階はPC、5階は白物家電──と、通路の幅を広く取りながらぎっしりと並ぶ品ぞろえの豊富さが目立つ。
テレビコーナーではホームシアターを体験できるソファーを置いたブースが複数設けられ、携帯電話コーナーでは、各キャリアの端末を機能ごとに区分し、ホットモックで実際に触って比較できる。掃除機の体験コーナー、調理器具の実演コーナー、エアコンを実体験できる部屋など、「ただ安いだけではなく、用途提案する」(一宮社長)という体験型の売り場を目指した。「『店で家電を体験できる』が都市型店舗であるLABIのコンセプト。売り場の至る所にヤマダ電機の思想をちりばめている。ほかの駅前量販店とひと味違うなと思ってもらえれば幸いだ」
地下1〜2階はJR池袋駅から屋外に出ずに通路で直結する強みを生かし、洗剤やペットフードなどの日用品や化粧品、健康家電などのほか、中規模書店に匹敵する10万冊の書籍コーナーを設け、さながら百貨店のようだ。
2年3カ月前、ビックカメラの隣に出店した旧店舗は「モバイルドリーム館」として11月6日に再オープン。池袋2店で800億円の年間売上高を目指す。一宮社長は「秋葉原の都市型大型店は1000億円と聞いている。われわれにできないことはない」と強気だ。「LABI1なんばが出店した時は閑古鳥が鳴いているなどと言われたが、現在は収益が十分出ている。池袋も隣の店を超えていると思う」という。
商業地としての求心力の低下が指摘されてきた池袋に「日本総本店」を構えるのは「駅の乗降客は270万人と日本で2番目。それだけのマーケットはあると考えている。縁あって三越の後を引き継ぐことになり、マーケットがあるなら積極展開するのが流通業の責務だ」と説明。ビックカメラは展示品などを格安で販売するアウトレット店をオープンするなどして迎え撃つが、「ヤマダ電機は全国に600店ある。展示品を集めれば600台になり、そういうことも可能だ」と自信を見せている。
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