反政府デモが続くエジプトで、インターネット接続と携帯電話サービスがほぼ全面的に遮断されたと報じられている。
長期独裁政権を崩壊させたチュニジアの「ジャスミン革命」の余波で、エジプトでは政権打倒を目指すデモが続いている。デモ参加者がTwitterやFacebookで連絡を取り合っていることから、当局はこれらサービスへの接続を遮断。さらに28日には同国のインターネットアクセスの90%が消えたという。
米セキュリティ企業Arbor Networksによると、28日に世界中の80のプロバイダーとエジプトとの間のトラフィックが突然急減したという。それまでは、デモの活発化とともにトラフィックが拡大していた。
米ネットワークセキュリティ企業Renesysは、エジプトのISPが27日夜に、他国と通信するためのルーティング情報の提供を停止したとしている。エジプトのネットトラフィックのほとんどを占める4大ISPがほぼ同時にアクセスを遮断したようだ。
またGoogleによると、エジプトでのYouTubeやGoogle検索などのサービスへのトラフィックが28日から急減している。
Vodafoneは、29日にエジプトで音声通話サービスが復旧したと明らかにしたが、インターネットの遮断は続いているようだ。Vodafoneは、「エジプトの携帯電話キャリアには、法的にも実質的にも、政府の要求に従う以外に選択肢はない」と述べている。
またデモの波及を恐れてか、中国では現在、マイクロブログサービスで「エジプト」という言葉が遮断されているという。
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