NECビッグローブは2月1日、NTTドコモのFOMA網を利用したデータ通信サービス「BIGLOBE 3G」の提供を開始した。併せてモバイル活用サービスの強化も行い、固定通信サービスやクラウドサービスとの連携による将来の取り組みも明らかにした。
BIGLOBE 3Gは、FOMAサービスエリア内で下り最大14Mbps/上り最大5.7Mbpsのデータ通信が利用できる。提供メニューは、利用時間を午前2時〜午後8時に限定した「デイタイムプラン」(月額1980円)と、24時間利用可能な「スタンダードプラン」(同2980円)の2種類。BIGLOBE接続サービス契約者には、ぞれぞれのメニューで月額料金が200円割り引かれる。
サービス利用者には専用のUIMカード(SIM)がレンタルされ、ドコモ用のスマートフォンやモバイル無線LANルータ、PlayStation Vitaなどの端末にUIMカードを挿入して使用できるようになる。音声通話は行えない。6月以降はLTEに対応したメニューを追加する予定だ。
なお、同サービスではユーザーに安定したサービスを提供するため、同時利用のユーザーが多数の場合や、P2Pなど通信容量が大きなアプリケーションのユーザー、三日間の累積通信量が約360Mバイトに達したユーザーに対しては通信速度の制限といった利用制御を行うとしている。
併せてモバイル活用サービスも強化する。同社の接続サービス契約者向けにPCなどの機器を一定期間年間レンタルする「BIGLOBE デジタル機器プラン」ではレンタル端末にNECのタブレット端末「LifeTouch B」を追加。Wi-Fi専用モデルを月額1200円で利用できるようになる。今後、同端末の3Gモデルも提供する予定。
このほか、スマートフォンユーザー向けのサポート施策として、2月下旬に音声操作に対応した同社サービスのQ&Aアプリを無償提供する。秋には有償サポートも提供。サポート担当者が電話で相談や質問に答える。アプリ操作などが分からない、端末のデータをオンラインバックアップしたいといった場合には、ユーザーの端末を遠隔から操作してサポートしてくれるといった対応を行う。
3月にはシマンテックのAndroid向けセキュリティソフトを月額315円で利用できるサービス、秋にはデバイスの種類を問わずに利用できる包括型のセキュリティサービスも提供するという。
会見した古関義幸代表取締役社長は、「既に固定ブロードバンドを利用しており、日中には外出先で安価にモバイルデータ通信を利用したいというユーザーや、通信環境に左右されずにブロードバンドサービスを手軽に利用したいユーザーに提供したい」とコメント。固定サービスや無線サービスを包含したサービス形態によって加入者の拡大を図りたいとし、今後1〜2年間にサービス全体で30〜50万ユーザーの利用を見込んでいる。
古関氏は会見の最後に、同社のクラウド基盤を活用した開発中のサービスも紹介。このサービスでは通信機能を内蔵したメガネ型デバイスのディスプレイに、さまざまな情報を表示したり、ユーザー同士で位置情報などを使ったコミュニケーションが行えたりすることを目指す。将来的には、サードパーティーがビッグローブのクラウド基盤にアプリケーションをホストして、エンドユーザーにサービスを提供するといったビジネスモデルも視野に入れる。
「将来はデバイスの形や機能がますます多様化するため、新しい活用方法を提案できるように取り組んでいく」(古関氏)という。
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