37歳は35+2歳なのか、40−3歳なのか?――連載「知って、できて、当たり前!? 37歳の常識」は、40代以降を充実して生きるための100個のルールをまとめた書籍「あたりまえだけどなかなかできない 37歳からのルール」の一部を加筆・修正し、許可を得て掲載しています。
あなたは年収を上げることについて、じっくり考えたことがあるだろうか。
全国の平均年収は年々下がっており、2009年度の全国平均は409万円というデータを見たことがある。しかし職業によって大きく開きが出るようなので、平均を見ること自体には価値がないようだ。
それにしても、国税庁が発表している「平成21年民間給与実態統計調査結果」を見ると暗くなってくる。会社員の平均年収はひたすら右肩下がりだ。景気もあるのだろうが、転職を煽(あお)る人材紹介事業者にも原因があると僕は考えている。
「今の給与は適正ですか」「あなたならもっと稼げるはず」といった景気のいい広告につられて、今の職場に不満のある人たちが転職していく。もちろん転職そのものが悪いわけではないのだが、多くの人たちは現在よりも条件の悪い会社に転職していると考えられる。
日本では転職をいいことだと考えている企業はまだまだ少なく、転職を受け入れてくれる会社の規模もある。大企業ではよほど欠員したときしか中途採用していないことが多いし、受け入れ条件を厳しくしていることがある。中小企業で中途採用を受け入れる会社が多いのは、もともと知名度などの問題で新卒を十分にとれていないことに起因することが多い。
さらに下請け、孫請けといった企業であれば、売上、利益の幅が小さく、給与が大きく跳ね上がることは期待しづらい。そうなると、本当に転職がいいと必ずしも言えないのが実情だ。
それよりも自社の中で出世していく方が、年収・給与という意味では正しいことが多いように思う。しかし転職する人は、今の会社を検証せずに、ただ「イヤになった」という理由だけで辞めてしまうことが多いようだ。自社に留まる方が年収が増える可能性が高いのか、あるいは転職を考えるべきなのか。収入にこだわるのであれば、冷静に考えるべきだと思う。
大木豊成著
明日香出版社
1470円(税込み)
40歳を目前にした世代が、悩んだり困ったりしていることに対して、人生経験豊富な著者がアドバイスする。ソフトバンクグループで培った仕事術の他、家族、キャリアなどについて、100項目で指南する。
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