Cerevoは6月30日、スマホで操作する改造ミニ四駆製作キット「MKZ4」を7月中旬に発売する。スマートフォンと連携し、市販のミニ四駆をリモート操作できる。価格は5980円(税別)。
操作用の専用基板や、SoCを搭載した無線LANモジュール、ステアリングパーツなど、基板実装に必要なパーツ一式をセットで販売。タミヤの「ワイルドミニ四駆」シリーズ(別売り)のボディを利用し、スマホで操作できる改造ミニ四駆を作る。組み立ての中に、はんだ付けや簡単なプログラミング、組み込みソフトへの書き込みなどの行程があり、IoT(Internet of Things)製品の開発の基本を学べるという。
「この先数十年、産業の中心にあるであろうIoTの概念を、子どものうちからもっと身近に感じてほしい」――Cerevoの岩佐琢磨代表はキットに込めた思いをそう話す。PCの画面の中で完結するのではなく、実際に動かして楽しめるミニ四駆を使うことで、ハードウェアとソフトウェアの両面からテクノロジーに興味を持ってほしいという。
開発のきっかけは、2015年11月に「IoTミニ四駆を作ろう」という一般向けワークショップを開催し、募集開始から数十分を待たずに満席になる大きな反響があったこと。電子工作が初めての親子連れも多く、全国から「地方でもやってほしい」「キットとして販売しないのか」「学校の授業で使いたい」など多くの問い合わせが寄せられた。何か応えられないかと事業化の検討を始めたという。
ワークショップで使用していた部品は3Dプリンタで出力していたが、製品化にあたって設計を見直し、金型から起こしたプラパーツにリメイク。強度や性能をアップした。
題材をミニ四駆にしたのは、日本中どこでも手に入る入手性の良さと、知らない人はいない知名度の高さ。子どもだけでなく親世代にも愛されてきたアイテムを今風にアレンジすることで広く興味を持ってもらい、新たな知識や学びの入り口にしてもらいたいという狙いだ。
岩佐代表は、電子工作をスタートする際の課題として、数万円クラスも少なくないキットの高価さや、道具やツールも知らない全くの初心者向けの製品が少ないことなどを挙げる。
「秋葉原に来ればパーツも道具も目移りするほどあるが、そもそもどこで何を買ったらいいのかすら分からない人は少なくないはず。何か目的があれば学習は独学でどんどん進められるもの。最初の一歩を整えてあげたい」(岩佐代表)
電子工作自体に初挑戦するビギナー向けに、組み立てに必要な工具を集めたツールセット「MKZ4TS」(9980円、税別)も同時発売する。はんだ、はんだごて、テスター、ニッパ、ドライバなど、MKZ4に限らずさまざまな場面で活用できる基本的なアイテムをそろえる。同社のエンジニアが、性能と価格のバランスがよいものをこだわって選んだ“お墨付き”だ。
無線LANモジュールにプログラムを書き込むキット「MKZ4WK」(1980円、同)や、ミニ四駆改造を元に電気設計やプログラムの基礎知識を広く解説する電子書籍「MKZ4 組み立て解説ガイドブック」(1000円、同)など、サポートアイテムも充実させる。
スペシャルパックとして、ワイルドミニ四駆(車体)、MKZ4、MKZ4WKをセットにしたキットを数量限定で8888円(税別)で販売する。
義務教育でのプログラミング必修化などの流れを受け、教育現場への導入も検討する。教育機関向けの「アカデミアパック」も提供予定だ。
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