悩みを相談すると、音声で答えてくれるAI(人工知能)搭載の盆栽「BonsAI」(ボンスエーアイ)が、「CEATEC JAPAN 2018」(10月16〜19日、千葉・幕張メッセ)で展示されている。開発したのは総合電子部品メーカーのTDK(東京都港区)で、一般向けには初披露。製品化の予定はないという。
人間と会話できる自走式のAI搭載盆栽。磁気センサーを内蔵するじょうろ型デバイスを、磁石を内蔵した盆栽の鉢部分に接触させる(盆栽に水をあげる動作をする)と、BonsAIが集音を開始。水をくれたお礼に悩み相談に答えてくれる。
例えば「料理上手になりたい。どうかなボンスエーアイ」と話しかけると、相談内容を仕事、健康、恋愛、人生の4ジャンルで自動分類し、「『率直な意志の相違は、 進歩を示す健全な兆候だ』。ガンジー」などと、内容に応じて偉人の言葉を引用して返答する。
AIはオープンソースのライブラリを使い、独自にカスタマイズした。鉢型デバイスやじょうろ型デバイスには、電子部品開発で培った同社の技術を集約。鉢には走行制御を行う9軸センサーや、音声を拾う小型マイクロフォンモジュール、フィルム型太陽電池などを搭載し、じょうろには角度センサーや触覚フィードバックを実現するアクチュエータなどを採用した。
「技術を使って未来を引き寄せよう」という同社のプロジェクト「TDK Attracting Tomorrow Project」の一環で開発した。TDK技術・知財本部の佐藤俊弥さん(TDK MAKER DOJO 道場長)は、「人間が自然界と会話できる世界を表現したかった」と話す。
最後にBonsAIに悩みを相談してみた。
「最近仕事が忙しい。どうかなボンスエーアイ」――そう話しかけると、しばらく思案(実際は自然言語処理をしている)した後「なるほど、確かにそういうことってあるよね。『リーダーは導くが、ボスは強いる』ってセオドア・ルーズベルトが言ってたよ」との返答。なるほど、上司について考えろってことなのかな。
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