スクリーン搭載スマートスピーカー「Echo Show」も加わり、今後アマゾンのAIプラットフォームはどんな方向に進んでいくのだろうか。米Amazon.comのミリアム・ダニエル氏に話を聞いた。
ダニエル氏は現在Echoシリーズが対応している「定型アクション」(複数のアクションを一言の音声コマンドにまとめて実行できる機能)がスマートスピーカー普及の起爆剤になると期待している。
「例えば『アレクサ、おはよう』と話しかけると天気予報やニュースなどを続けて読み上げるだけでなく、Smart Home SDKを組み込んだAlexa対応のスマートデバイスを連動できます。温度センサーを内蔵するEcho Plusの登場によって、エアコンや扇風機などの機器が単純な電源のオン・オフだけでなく、温度設定を含めたよりスマートな使い方ができるようになります」(ダニエル氏)
Echo PlusとEcho Showが内蔵するZigBee対応のスマートホームハブ機能は欧米では対応する機器も増えてポピュラーなものになりつつあるようだ。ダニエル氏は「スマート家電を導入する際に別途スマートハブを用意する必要がないこと、個別の機器単位で面倒なセットアップも不要になる」ことのメリットを強調している。アメリカではガレージドアや監視カメラ、ドアセンサーなどの機器にZigBee対応のものが多いという。日本でもZigBee対応デバイスの種類と数が増えてくれば、Echoシリーズは各家庭のマストアイテムになるかもしれない。
Echoシリーズで楽しめるエンターテインメント系サービスについては、12月にEcho Showが発売される段階でAmazonプライム・ビデオが使えるようになるという。日本でも多くのユーザーが使っているVODサービスなので、これもまたEchoシリーズの躍進を後押ししそうだ。画面は少し小さいが、Echo Spotでも見られるようになるので、子ども部屋に置くと便利だろう。安価で場所を取らないEcho Spotは、贈り物としても注目されるかもしれない。
音楽系サービスは現在、「Amazon Prime Music」「Amazon Music Unlimite」「dヒッツ powered byレコチョク」「うたパス」のストリーミングに対応しているほか、「カラオケJOYSOUND」などスキルによる活用の幅が広げられる。アメリカと英国、ドイツではSpotifyのストリーミングサービスが乗り入れているので、Spotifyのヘビーユーザーである筆者としては早くこれを日本で実現してほしいとダニエル氏に頼み込んでおいた。
Alexaを搭載するスマートデバイスにFire TV Stickも加わり、多彩な画面サイズのデバイスのサポートが求められるようになる。その際、デベロッパーがスキルの開発を容易にできるように「Amazon Presentation Language」をはじめとするツールを提供したり、アマゾンからのサポート体制も整えた。現在Alexaスキルストアで提供されているEchoシリーズ向けのスキルは1000件を超えているが、ダニエル氏は「これからはAlexa体験をさらに豊かにする、視覚情報も活用した便利で楽しいスキルが日本でもたくさん利用できるようになる」と語っていた。
エプソン、キヤノンのプリンターはAlexaのスキルに対応。ゲームのスキルからプリンタのスキルにコマンドを引き継げる「Alexa Skill Connection」にも対応する。体験会では簡単なクイズのスキルを起動して、正解すると写真に写っている景色を印刷するためのスキルにバトンタッチするサービスのイメージが紹介された先日、米Googleが新製品発表会でお披露目したスマートディスプレイ「Google Home Hub」は残念ながら日本で発売される見通しがまだ立っていない。一方では先月からAndroid TVを搭載する筆者宅のソニー“ブラビア”「KJ-43X8300」がソフトウェア更新によってGoogleアシスタント内蔵テレビに進化した。小型のスマートスクリーンで勢いにのるアマゾンと、テレビ内蔵から攻めるグーグル。どちらが日本の家庭により深く浸透するAIアシスタントになるのか、今後も両社のデットヒートから目が離せない。
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複数のAlexaスキル連携させる「Skill Connections」 開発者向けプレビュー提供
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