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空へ誘う旅はフォントがいっぱいデジタルネイティブのためのフォントとデザイン(5/6 ページ)

» 2019年06月27日 11時43分 公開
[菊池美範ITmedia]

熊本空港のフォントとデザイン

 熊本地震で大きな被害を受けた熊本空港国内線ターミナルビルは、修復工事もほぼ終わって震災前の賑やかさが戻ってきている。ショップやレストランもこのくらいの規模が動きやすく、サインシステムもシンプルな分、統一感がとれていて羽田空港よりもリラックスして過ごすことができる。

 面白い点は、同じ航空会社であっても、空港によって出発案内スクリーンの表示フォントの扱いやデザインが異なることだ。こういったシステムは有料道路上の案内表示のように、全国統一のデザインであったほうがわかりやすいのではないか。以下の写真は羽田発の熊本行き出発ゲートと、熊本発羽田行き出発ゲートのスクリーン表示を比較してみた。

photo 羽田から熊本行きのフライトで搭乗したゲート前の案内スクリーン。ここでは第2ターミナルのゲート番号が、グリーンの色地にブラックの文字というルールに従って表示されていた
photo 熊本から羽田へのフライトは、壁面に表示されたゲート番号の表示と併用する形で2つのディスプレイを使用し、濃いブルーの色地にホワイトの文字で表示されていた。アイコンのデザインやフォントの扱いが各空港によって異なるのがわかる

 熊本空港は大規模な施設ではないが、国際線ターミナルビルも隣接しているし、空港内の設備も充実している。適度なサイズの空港は施設内の動線も短くて使いやすい。そんな空港でふるさとに帰ってきたという実感を強く覚える最初のフォントとデザインは、地元企業や商業施設の「ようこそ」「お帰りなさい」という広告パネルなのではないだろうか。これから始まる到着地での旅案内でもあり、家族や友人たちが待つ家路への始まりでもある。

photo 熊本空港を降りると必ず目にするのが、熊本を代表するデパートである鶴屋の広告だ。その下に天草の世界文化遺産登録の告知が加わって旅の期待が高まる。懐かしさを感じるフォントは、おなじみのヒラギノ明朝体である

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