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1億画素の衝撃! 富士フイルム「GFX100」を試す荻窪圭のデジカメレビュープラス(4/4 ページ)

» 2019年08月30日 22時02分 公開
[荻窪圭ITmedia]
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背面から。十字キーがないのが富士フイルムらしさ。縦位置用のボタンとリアサブモニターが特徴だ。電子ダイヤルはもうちょっと大きくて回しやすくても良かったかなと思う

 背面は十字キーがないシンプルさ。実際なくて困ることはあまりないのでよいことだ。グリップの邪魔にもならないし。

 注目はモニタの下にあるリアサブモニター。

 横長のモニターで、露出や画質の設定内容、ヒストグラムなど4パターン用意され、モニターに表示する情報も細かくカスタマイズできる。

ヒストグラムの他、撮影情報や露出補正表示ができる

 今までの富士フイルムのカメラに比べると、メカニカルなダイヤルは減り、電子ダイヤルでの操作がメインになっている。

 スタジオでセッティングを追い込んで撮るときや、三脚を使って風景などをきっちり撮るときにこういうサブモニターは重宝するかと思う。たぶん、GFX100の主なユーザー層はそういう人だろうし。

 それでいて、手持ちでのスナップ撮影にも対応できる柔軟さがすごい。

 これなんかモニターを手前に倒して腕を伸ばしてハイアングルで撮っているのだけど、ちょっと重たい以外は何の問題もなかったし。

ちょいと鉄道写真。急行がやってきたので最後部が顔を出すタイミングで狙ってみた。ディテールまでしっかり描写されてて良い。36.3MB(63mm 1/420秒 F5.6 ISO100)

 バッテリーは2個内蔵可能で、その場合、約800枚(CIPA規格)まで撮れる。バッテリーを2つ搭載とはいえ、このクラスで800枚撮れれば困らないだろう。USB充電はUSB PD対応で15ボルトでの充電が可能だ。充電器は付属するが、USB PD対応のACアダプターを持っているならそれを使って本体内充電した方が便利かと思う。

バッテリーは2つ付属する

実にモダンな新世代のラージフォーマットカメラだった

 というわけで、GFX100はGFX50シリーズを1億画素にしたカメラではなく、1億画素時代に向けてきっちり仕上げてきた新世代のフラッグシップカメラなのだった。

 いやもう、1億画素の画質とともに、それで気軽にスナップ撮影できる強力な手ブレ補正機構や十分高速なAFにちょっと感動した次第である。ラージフォーマット+1億画素ならではのシビアささえ理解すれば(いやもうほんとにシビア)予想以上に幅広く使えるカメラなのだった。重いといっても、フラッグシップの一眼レフ(Nikon D5やEOS-1D系)と変わらないしね。

 まあレンズを含むと150万円コースなのでおいそれとは手を出せないが、それが必要な人にはたまらないに違いない。

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