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データサイエンティストの素養は「獣神サンダー・ライガー選手」に学べマスクド・アナライズのAIベンチャー場外乱闘!(4/5 ページ)

» 2019年12月05日 07時00分 公開

相手に合わせて自分を変える、自分の仕事を幅広く知ってもらう

 プロレスにはさまざまなレスラーや団体があり、卑怯な反則をいとわないヒールレスラーもいれば、コミカルな試合を持ち味とする団体もあります。ライガー選手は他団体での試合ではあえて嫌われ役になったり、所属する団体とは異なるスタイルの試合でも、相手に合わせて魅力を引き出すことを心がけています。

 自分だけが目立って勝つのではなく、「他団体の選手や魅力を知ってほしい」という相手へのリスペクトは、データサイエンティストも見習うべきでしょう。データサイエンティストが外部で業務を行う場合にも、「自分の知見を他人に教えてやる」という姿勢では、誰も同調してくれません。自分から他業種の現場に飛び込んで、データサイエンスを生かす方法を教えてもらうくらいの気構えで臨みましょう。相互理解や業務知識の共有不足は、失敗の要因になります。

 10〜20代の読者にとっては、ライガー選手は「バラエティー番組に出てくるお仕置き役」というイメージがあるかもしれません。ライガー選手は「プロレスラーだからプロレス以外はやらない」と仕事の幅を限定せず、新たなファン層を開拓すべく異なる分野にも活躍の場を広げています。最近ではTwitterを始め、自分で作った朝食の写真をアップするなど、情報発信にも余念がありません。データサイエンスも異分野に応用する柔軟性が必要で、そのために幅広くいろいろな人にその重要性を知ってもらうことが大切です。

 これからのデータサイエンスは、PCを使った分析にとどまりません。プロレスラーがプロレスだけやればいい時代が終わったように、データサイエンティストが分析だけやる時代も終わろうとしています。

ベテランになっても第一線で活躍する

 ライガー選手はデビューから30年経っても常に第一線で活躍して、現在でも道場に住み込んで若手に混ざって練習するほどです。チャンピオンベルトからは離れていますが、巡業バスで日本各地を回りながら、積極的に海外の試合にも出場しています。道場に身を置き、練習熱心な若手に刺激を受けることで、自身を奮い立たせているのです。

 データサイエンティストも、若手や学生から刺激を受けることは多いでしょう。一方で、自身の鍛錬や情報収集を怠ってはいけません。最新技術を身に付けた学生や若手に対して、これまで培った経験やノウハウで勝負するのもよいでしょう。プロレスラーもデータサイエンティストも、初心を忘れず努力し続ける必要があります。

 こうして数々の伝説を残したライガー選手は、プロレス界を大きく変えました。小柄な選手が活躍できなかったプロレスの常識を覆したこともあり、ライガー選手に憧れてプロレスラーになった選手は国籍を問わず多数います。現在データサイエンティストを取り巻く課題は多々ありますが、ライガー選手のように自身や業界を変えていくチャンスは誰にでもあります。

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