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もはや異次元の83倍ズームを搭載した“一応”コンデジ、ニコン「COOLPIX P950」荻窪圭のデジカメレビュープラス(3/4 ページ)

» 2020年02月21日 10時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]
側面。望遠端ではここまでレンズが飛び出る。側面に「クイックバックズーム」ボタン、ズームレバー、再度ダイヤルの3つが並んでいる

 1000mm以上になると、非常に視界が狭くなるので、肉眼では追えていた被写体でもなかなか見つけられない、せっかく見つけても先方がちょっと動くと瞬時に見失うってことが頻繁に起きる。

 そういうときにこのボタン。押してる間だけ広角側にズームアウトしてくれるのだ。

 あとは連写をオンにして(最高で秒7コマ)シャッターを切るべし。被写体ブレや構図のズレが発生しやすいので連写は必須だ。

 そして撮った、枝に止まってるシジュウカラがこちら。これはちょうど全身が入った1400mm相当。

高い枝に止まっていたシジュウカラ。小さくて可愛い鳥である。小さいので見失いやすい。クイックバックズームボタン大活躍(1400mm相当 1/250秒 F6.3 +2/3 ISO180)

 このカメラで飛んでる鳥を追うのは大変なので(さすがにそこまでの性能はない)、枝に止まった瞬間を狙ってみた。

 さらに、2000mm相当でヒヨドリのアップである。ヒヨドリは大きめの鳥なので望遠端で顔を狙ってみた。

頭頂部の毛が逆立ってるのがチャームポイントのヒヨドリ。鳴くとけっこううるさい(2000mm相当 1/250秒 F6.5 +2/3 ISO220)

 さすが2000mmである。これは楽しい。

P900に比べるとファインダーが良くなった

 実際、ここまで超望遠になると、ちゃんとフレーミングするのが難しい。

 なのでP950はフレーミングを安定させやすいファインダーでの撮影を前提としたボディになっている。

 グリップは深く、シャッターは押しやすい位置にあり、左手はレンズの鏡胴部を下から支えると安定する。

グリップがしっかりしているのでちゃんと構えると安定する。ファインダーを覗いて撮るべきカメラだ

 そして電子ビューファインダー(EVF)は、P900のEVFが0.2型液晶パネルで約92万ドットだったのに対し、P950は0.39型の有機ELパネルで約236万ピクセルと上位モデルのP1000やエントリー向けのミラーレス一眼(EOS Kiss Mなど)と同等のスペックに強化されている。これは良い。

 AFはコントラスト検出方式。自動的に被写体を見つけるターゲットファインドAFや顔検出AF、一点AFなどを選べる。

顔検出を使ってポートレート(80mm相当 1/125秒 F3.5 ISO100)

 残念ながらAF自体はそれほど速いわけじゃなく、特に超望遠時は時間がかかる。

 よって超望遠のまま動いている被写体にいきなり合わせようとするのは至難の業だ。広角から中望遠くらいでいちどフレーム内におさめてAFをかけてからズームアップする、あるいは「クイックバックズームボタン」を使うクセを付けるのは大事だ。

 クイックバックズームボタンの横にはサイドズームレバーとサイドダイヤルがある。サイドダイヤルは左手の親指で回しやすいのでよく使う機能に割り当てると良い。

 シャッタースピードは最高で1/2000秒だが、それより速くしたいときは電子シャッターに切り替わる。

 絞り値はF2.8から6.5。1/2.3型センサーということもあり高感度にはあまり強くないので、できれば絞り開放で十分明るい昼間に使いたい感じだ。

 撮影最短距離はちょっとややこしい。通常のAFモードでは広角端でレンズ前約50cmから(とスペックにはあるけど実際にはもっと寄れる)、望遠端では約5mとなっている。マクロモードにすると広角端でレンズ前約1cmからピントが合うが、ズームアップするに従って撮影最短距離は伸びていき、中望遠くらいから通常AFモードとの差がなくなる。

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