BoxはDropboxに顧客数では負けているが、大手企業で採用されており、そこから口コミ的に横展開で企業の利用が広がってきた。とはいえ、一連の機能追加を行ってきたものの、市場でのブランディングの浸透度はDropboxと比べると弱いところがある。今後さらに顧客企業を増やし、Dropboxの規模に近づくには、企業向けコンテンツ管理プラットフォームとしての幅広い認知が必要となるだろう。
Dropboxはコンシューマー向けサービスから市場へのアプローチを始めたこともあり、認知度は高いものがある。しかし、クラウドストレージとして比較的カジュアルに使えるツールと捉えられやすく、エンタープライズ向けのクラウドコンテンツ管理ツールとしてのイメージはBoxほど強くない。Dropboxには十分な顧客ベースがあるので、現状Dropboxをクラウドストレージとしてしか使っていない顧客に、近年強化してきた「Spaces」「Paper」といった組織向けコラボレーション機能の価値を理解してもらうことが、Boxに差をつける上でのカギとなるだろう。
ただし、BoxとDropboxにとっては、米Microsoftの「OneDrive」や米Googleの「Google Drive」なども潜在的な競合になり得る。彼らと直接競合するのではなく、企業向けコンテンツ管理プラットフォームとしての市場を新たに確立することも、両社のビジネスを伸ばすには必要となるはずだ。
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