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» 2020年07月30日 11時04分 公開

「ねぇ、くまごろう」で起動 独自のスマートスピーカーがアジャイル開発のムダを削減?

アジャイル開発における会議やその準備に課題を抱えていたチームが、独自にスマートスピーカーを開発。時間や資料の管理に使ったところ、会議やその準備にかかる時間を削減できた。

[吉川大貴,ITmedia]

 「アジャイル開発の業務課題を、スマートスピーカーで解決しようと挑戦した」──KDDIの若林直希さん(クラウドプラットフォームサービス ベアメタルサーバーサービス 開発担当)は、7月29日に開かれたカンファレンス「Cloud Operator Days Tokyo 2020」で、自身が所属する開発チームでの試みについてこう話した。

 法人向けクラウドサービスの機能開発を担当する若林さんのチームでは、開発に伴って発生する会議とその準備がメンバーの負担になっていた。そこで、独自に開発したスマートスピーカー「くまごろう」を導入したところ、毎回の会議にかかる時間を5〜10分ほど短縮できたという。

photo くまごろう誕生の経緯

 くまごろうは、若林さんのチームがマイクロコンピュータ「Raspberry Pi」(ラズパイ)と音声AIアシスタント「Google Assistant」の開発キットを使って開発した独自のスマートスピーカー。ラズパイにスピーカーやマイク、モニターを接続しており、普段は作業スペースに設置している。会議の際は、周辺に集まって利用するという。

 若林さんによれば、見た目は「画面付きラズパイ」。名前をくまごろうにした理由は「チームのイメージキャラクターがクマだったため」という。

 「ねぇ、くまごろう」と話しかければGoogle Assistantを起動する。「issueボード(タスク管理表)開いて」と話しかければ、ソースコード管理ツール「GitLab」内のタスク管理表をモニターに表示する。会議の時間になれば、「これからデイリースクラム(開発チームの定期的な会議)をはじめます」と音声で伝える機能も搭載している。

 開発に使用しているサーバに障害が発生した際には、チャットツール「Slack」にエラーメッセージを送り、音声でその旨を伝える。当初はオフィスにあるトイレの混雑状況を知らせる機能などの搭載も検討していたが、開発する時間がなく、断念したという。

 コロナ禍以前、若林さんのチームでは1人のスクラムマスター(会議の進行や準備を行う役割)が会議の準備や開始時間の管理、タスク管理表の操作などを全て担っていた。そのため「毎回のタスク管理表の操作や管理が面倒」「1人で会議の進行を行うのが大変」などの意見が出ていたという。

 そこでくまごろうを開発・導入したところ、スクラムマスターの負担を軽くすることに成功。毎回の会議にかかる時間が5〜10分ほど短くなり、タスク管理表をモニターに表示する準備も不要になった。チームの中には、くまごろうの開発を通してGoogle Assistantなどの新しい技術に触れたことで、仕事のモチベーションが上がったメンバーもいたという。

 若林さんらは今後、くまごろうに会議の時間を計ってもらったり、議事録を取ってもらったりする機能を追加する方針。リモートワークの業務改善に役立てる方法も模索中で、Web会議ツール「Zoom」との連携機能の開発などを検討している。

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