名刺サイズの超小型PC「ラズパイ」で遊ぶ(第28回)
ラズパイで気温と湿度を測定、LINEで通知を受け取る ~番外編~
前回までは温湿度センサーモジュール「SHT31」を使ってきましたが、以前使った温湿度・気圧センサーモジュール「BME280」でも簡単にプログラムが組めます。第2回ではスイッチサイエンスが配布しているプログラムを使いましたが、BME280のライブラリが公開されており、これを使えばもっと簡単にプログラムが組めます。順を追って紹介していきましょう。
ライブラリをインストールする
ライブラリですが、配布サイトからダウンロードして、マニュアルでインストールすることになります。まずはファイルをダウンロードしましょう。
サイトの左にある「Download files」をクリックし、表示されたメニューから「RPi.bme280-0.2.3.tar.gz (1.7 MB)」をクリックしてダウンロードします。ダウンロードしたファイルをWinSCPなどでラズパイに転送します。転送する場所はどこでもいいですが、piのルートディレクトリ「/home/pi/」でよいでしょう。
ダウンロードしたらラズパイに移り、コンソール画面から以下のコマンドを入力します。
$ tar -zxvf RPi.bme280-0.2.3.tar.gz
するとホームディレクトリに「RPi.bme280-0.2.3」というフォルダができます。次に以下のコマンドを入力します。
$ cd RPi.bme280-0.2.3
ディレクトリを移動したら、以下のコマンドでライブラリをインストールします。
$ sudo python setup.py install
これでBME280のライブラリはインストールできました。
BME280を使った暑さ指数の測定
続いて第1回で紹介した手順でラズパイとBME280をつなぎ合わせましょう。つないだあと、配布サイトにあったサンプルプログラムを入力して、BME280のライブラリがちゃんとインストールできているかを調べます。以下のプログラムをテキストエディタで記述して、ファイルを「bme280_test.py」などのように名前を付けて保存し、ラズパイに転送してください。
#!/usr/bin/env python
# -*- coding: utf-8 -*-
import smbus2
import bme280
port = 1
address = 0x76
bus = smbus2.SMBus(port)
calibration_params = bme280.load_calibration_params(bus, address)
# the sample method will take a single reading and return a
# compensated_reading object
data = bme280.sample(bus, address, calibration_params)
# the compensated_reading class has the following attributes
print(data.id)
print(data.timestamp)
print(data.temperature)
print(data.pressure)
print(data.humidity)
# there is a handy string representation too
print(data)
ラズパイに転送したら以下のコマンドを入力します。
$ python bme280_test.py
入力して、以下の情報が表示されたらOKです。
1f224924-955a-4d86-ae8e-158c59b4b961
2020-09-08 15:18:27.252815
26.1037427081
1012.60678869
55.2717538726
compensated_reading(id=1f224924-955a-4d86-ae8e-158c59b4b961, timestamp=2020-09-08 15:18:27.252815, temp=26.104 °C, pressure=1012.61 hPa, humidity=55.27 % rH)
これは上からデータID、時刻、気温、気圧、湿度のほか、最後にこれらの情報を1行でまとめて表示しています。つまり以下のことが分かります。
| 項目 | コマンド |
|---|---|
| データID | data.id |
| 時刻 | data.timestamp |
| 気温 | data.temperature |
| 気圧 | data.pressure |
| 湿度 | data.humidity |
これらの値をそれぞれ取得すれば、SHT31で作った仕組みを改造するだけで表示できそうです。データについては、ひとかたまりで取得する方法は
calibration_params = bme280.load_calibration_params(smb, addr)
data = bme280.sample(smb, addr, calibration_params)
のようにすればよさそうです。つまり気温のデータ「roomtemp」は「data.temperature」を、湿度「roomhum」は「data.humidity」を指定すれば取得できます。これらを踏まえて改編したプログラムが以下になります。
#!/usr/bin/env python
# -*- coding: utf-8 -*-
import smbus
import datetime
import requests
import bme280 #←追加
smb = smbus.SMBus(1)
t = datetime.datetime.today()
# BME280のI2Cアドレス
addr = 0x76
# データの読み出し
calibration_params = bme280.load_calibration_params(smb, addr) #←追加
data = bme280.sample(smb, addr, calibration_params) #←追加
# 気温
roomtemp = data.temperature
# 湿度
roomhum = data.humidity
# WBGTを求める
wbgt = 0.735 * roomtemp + 0.0374 * roomhum + 0.00292 * roomtemp * roomhum - 3.4516
# 温度と湿度をLINEで送る
url = "https://notify-api.line.me/api/notify"
token = "(トークン)"
headers = {"Authorization" : "Bearer "+ token}
message = ["気温" + str(format(roomtemp,'.1f')) + "C", "湿度" + str(format(roomhum,'.1f')) + "%"]
payload = {"message" : message}
r = requests.post(url, headers = headers, params=payload)
if wbgt >= 31:
message = ["暑さ指数 危険!"]
elif 28 <= wbgt < 31:
message = ["暑さ指数 厳重警戒!"]
elif 25 <= wbgt < 28:
message = ["暑さ指数 警戒!"]
elif 21 <= wbgt <25:
message = ["暑さ指数 注意!"]
else:
message = ["ほぼ安全"]
# 念のためコンソールにデータを表示
print ('wbgt : %.1f' %wbgt )
print ('Temp : %.1f C' %roomtemp)
print ('Humi : %.1f %%'%roomhum)
# ここまで
# WBGT警報をLINEで送る
url = "https://notify-api.line.me/api/notify"
token = "(取得したトークン)"
headers = {"Authorization" : "Bearer "+ token}
payload = {"message" : message}
r = requests.post(url, headers = headers, params=payload)
これを「bme280_wbgt.py」などのファイル名で保存して実行すると、前回SHT31で作り上げたのと同じく、LINEでメッセージを送ることができます。
以上で3回にわたって紹介してきた、暑さ指数による警告をLINEで送る方法については以上となります。BME280の場合は気圧も測定できるので、ほかにも応用方法があるかもしれません。いろいろとプログラムを改編して探ってみてはいかがでしょうか。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
名刺サイズの超小型PC「ラズパイ」で遊ぶ
今やスマートフォンアプリで何でも完結できてしまう時代。しかし、一から自分の手でデバイスを作り上げ、試行錯誤しながらアイデアを具現化する楽しさは格別です。この連載では、テーマや用途にあわせてマイクロコンピュータ(マイコン)と呼ばれる名刺サイズの超小型PC「Raspberry Pi」(通称ラズパイ)の活用方法から具体的な工作手順までを紹介します。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「Claude」の“見えない透かし”、Anthropicが仕組みを説明 「完全な書き直しなら消える」
-
2
豪雨被害の千葉で「通れた道マップ」トヨタが公開 直近3時間の通行実績が分かる
-
3
「ほの暮しの庭」はホラーが苦手でも大丈夫! 怖さを上回る物語とスローライフの魅力をマンガ家が力説
-
4
河川監視のライブカメラ水没か――千葉豪雨、村田川の映像が水中に 「こんなの初めて見た」
-
5
千葉の「通れた道」、JARTIC地図で確認可能に トヨタやホンダなど5社のデータを集約
-
6
悪酔いにチェイサーは効果なし? 日本酒4合+水1Lを飲ませ二日酔い調査 大分大などが研究
-
7
熊本「通れた道」マップ、トヨタが公開 ホンダも「通行実績情報マップ」
-
8
Sakana AI、新AIモデル「Namazu」発表 AIチャット「Sakana Chat」も公開
-
9
LINE着せかえ「アイコンがデフォルトに戻る」問題、対応完了時期示さず クリエイターズは「審査に時間がかかっている」
-
10
豪雨に備える防災アプリ・サービスまとめ 雨雲レーダーからハザードマップ、通れた道まで
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR