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» 2020年11月13日 18時17分 公開

相次ぐPS5の高額出品、100台で900万円も 「出品禁止は考えていない」「権利者からの申し立てがあれば削除も検討」──メルカリに対応方針を聞く【訂正あり】

PS5の高額出品がECサイト「メルカリ」で相次ぎ、ネット上で批判が集まっている。こうした現状をメルカリ側はどう見ているのか、担当者に取材した。

[樋口隆充,ITmedia]

 ソニー・インタラクティブエンタテインメント(SIE)が11月12日に発売した「PlayStation 5」(PS5)の高額出品がECサイト「メルカリ」で相次ぎ、ネット上で批判が集まっている。メルカリはITmedia NEWSの取材に対し、「現時点では出品禁止は考えていない」とした上で、「権利者からの申し立てがあれば削除を検討する」としている。

【訂正:2020年11月15日午後10時20分 記事初出時、タイトル名の一部を「ソニーから要望あれば削除対応」としていましたが、正しくは「権利者からの申し立てがあれば削除も検討」の誤りでした。また、コメントの一部をメルカリの見解としていましたが、正しくはメルカリの有識者会議で出た意見の一部でした。訂正してお詫びいたします。】

 メルカリでは、発売日前の11日からPS5の高額出品が続いている。記者が「PS5 本体」と検索したところ、13日正午時点で1000件近くが出品中で、これまで少なくとも1200件以上で売買が成立していることを確認した。大半の出品の価格は10万円前後に設定されていた。

photo メルカリに出品されたPS5本体

 PS5のメーカー希望小売価格は、通常版が4万9980円(税別、以下同)、ディスクドライブのないデジタル・エディションは3万9980円のため、約2倍から3倍の価格で出品されていることになる。

 中には100台セットで900万円という出品もあった。この出品者は「いろんな店をグループで回り集めました」と商品概要欄に記載している。

photo 100台セットで900万円の出品も

 これを受け、ネット上では「メルカリは削除しないのか」「(価格が)落ち着くまで一定期間出品制限をするべきではないか」などの意見が上がっている。

 11日には一時、約30万円の出品(すでに売り切れ)もあったことを考えると、メルカリ内での相場価格は落ちてきているが、出品側のいわゆる“転売ヤー”や、マーケットプレースを運営するメルカリに対応を求める批判の声は今でも見受けられる。

photo 約30万円で出品されたPS5(現在は売り切れ)

メルカリ「出品制限などは考えていない」

 この状況をメルカリ側はどう考えているのか。メルカリはITmedia NEWS編集部の取材に対し、PS5本体の高額出品が相次いでいることを「承知している」と認めた上で、「現時点でPS5は出品禁止品にはなっていないため、通常通り取引できる」と現在の状況を説明。

 他のECサイトに目を向けると、「ヤフオク!」は12日、相次ぐPS5の高額出品に対して出品削除を示唆する声明を発表。「これを受けて削除検討などの動きはあるか」との問いには「現時点で一律削除や出品制限などは考えていない」(メルカリ)と回答した。

 ただし「ソニー(SIE)側から権利侵害の申し立てがあれば対応も検討する」との方針も明らかにした。これまでも企業側からの要請で対応した事例はあるという。だが、正規のPS5の出品は権利侵害に当たらず、削除対象にはならないという。「商品が手元にないなど規約違反が判明した場合は随時削除している」と、規約に従った対応は今も行っているとした。

高額転売、何を基準に規制?

 一部では「定価以上の出品を一律禁止するべき」などの意見がSNSを中心に上がるなど、高額出品への批判もある。

 メルカリはここ数年でマーケットプレースの社会的地位が問われているとして、7月に役割や在り方を議論する有識者会議を発足。会議では有識者から「何を基準に高額転売とするのかは難しい問題」「極端な話、世の中の商いは全て転売で成立している。これを一律禁止にすると世の中のビジネスが成り立たなくなるのではないか」などの意見が出た。

 会議では「禁止にするのは簡単だが、禁止する際はどの商品を禁止にするのか慎重に検討する必要がある上、その後の市場への影響も考える必要がある」との指摘もあった。マーケットプレース運営社としての責任とユーザー保護を両立する難しさも見せつつ、「メルカリは個人間取引で成り立っている。今後も個人の多様な価値観を尊重したマーケットプレースを目指したい」(メルカリ)との見解を示した。

Amazonの対応は?

 PS5を巡っては、9月の予約開始時にもAmazon.co.jpのマーケットプレイスで高額出品が問題となった。一時、約50万円の出品も確認されたが、13日午後1時時点では出品が確認されていない。Amazon側が出品制限や確認次第、削除している可能性がある。

 ITmedia NEWS編集部は「PS5の出品に対し、どんな対応をしているのか」「ユーザーからの批判を考慮して対応したのか」という質問事項をAmazon広報部に送付した。Amazonからの回答は以下の通り。

  • Amazonはお客さまにお求めやすい価格、豊富な品揃え、スピーディーな配送をご提供できるよう、日々取り組んでいる
  • 販売事業者が販売する商品の価格は、販売事業者が設定するが、当サイトでは、お客さまにお求めやすい価格で出品いただけるような規約を設けている
  • Amazonではサイトをモニタリングしており、規約に違反している出品については、出品の取り下げなどの対応をとっている
photo 一時は約50万円の出品も(9月時点)

 ソニーはPS5に対し、10月の決算発表で発売初年度の販売目標を「PS4」を超える760万台以上に設定。「今後も継続的にPS5の出荷を見込んでいる」としているが、高額出品が今後もしばらく続く可能性がある。

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