外付けSSDのスピードはどうか。USB的には新旧どちらも同じスペックのはずである。だが実際に外付けSSDの速度を計測してみると、興味深い結果が出た。
使用したのは、USB 3.1 Gen 2 対応のSandisk「Extreme900 960GB」である。
このドライブ、スペックシート上はリード・ライト共に850MB/sなので、旧MacBook Proでのパフォーマンスはだいたい納得できるところだ。ところが新MacBook Airでは、その半分程度しか出ていない。ケーブル等は同じである。
USB 3.1 Gen 2の最大理論値は10Gbpsで、旧MacBook Proのリード値865MB/sをbps換算するとだいたい6.9Gbpsぐらいである。理論値10Gbpsに対して約7Gbpsは妥当なところだ。それに対して同じドライブが、同スペックと言われるインタフェースに繋いで半分しかスピードが出ないのは問題だろう。
ドライバのアップデートで改善できればいいが、もしM1のI/Oの性能の限界だとすると、動画編集には致命傷になりかねない。なぜならば、素材交換やアーカイブ、素材容量の都合で外付けストレージに対して編集していくというのは普通の話であり、いちいち内蔵ドライブにコピーしないとパフォーマンスが出ないというでは使い勝手が悪すぎるからである。
また外付けSSDを接続している間、データの読み書きをしているあいだはいいのだが、しばらくデータのやり取りがないと勝手にアンマウントされてしまうという現象が見られた。OSからのアラートが出るので、OS側で自動的にアンマウントしているわけではないようだ。
「バッテリー」の「可能な場合はハードディスクをスリープさせる」をOFFにしてみたが、変化はなかった。もっともこのコマンドは、HDDに対してスピンドルを止めるコマンドを送るだけで、アンマウントさせるわけではない。もしかしたらM1は、一定時間アクセスがない外部デバイスに対して、電源供給を切ってしまうのではないだろうか。アクセスがないのでデータ的には影響ないかもしれないが、OS側が認識していない電源断はシステムとしてマズいだろう。
今後Apple Siliconは、性能を上げながらハイエンドモデルにも展開するだろう。しかしMac ProやiMacは外付けデバイスによる拡張性が前提となっており、ポート数も2つどころでは済まない。将来のM2、M3でポート数やスピードの問題が解決できればいいが、そこが疑われるようであれば、ハイエンド市場ではApple Siliconへの乗り換えは進まないだろう。
以降のApple Silicon搭載新モデルに関しては、まずは外部I/Oのパフォーマンスを真っ先に調査すべきである。
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