フルサイズミラーレス一眼で先行するソニーの「α7」シリーズを追うキヤノンとニコン。でもキヤノンが「EOS R5/R6」と新しい主力モデルをドカンと投入したのに対し、ニコンは「Z 6II」「Z 7II」と前モデルのマイナーチェンジ? ……と思いきや、いざ使ってみるとかなり進化してる。
見た目もあまり変わらないのでマイナーチェンジに見えるのだけど、画像処理エンジンを2基搭載したせいか実にキビキビと動いて快適で、一足先に登場した「Z 5」に比べると多くの面で違いを感じさせる。さすが上位モデル。
個々のスペックに分かりやすい「スゴさ」(手ブレ補正10段!とか100コマ連写!とかそういうの)はないので目立たないかもしれないけど、全体に底上げされててカメラとしてバランスよくレベルアップしてたのだ。
Nikon Z 6IIは2018年に発売された「Z 6」の後継モデル。Z 6自体発売後の瞳AF搭載、20年初頭の動物瞳AF対応とファームアップで進化しており、その上でハードウェアをレベルアップさせたカメラだ。2450万画素のフルサイズセンサーを搭載しており、高画素機Z 7IIの弟分となる。
手にして最初に感じるのは、前モデルの時もそうだったけど、撮影の快適さ。グリップは細めで程よい深さを持っていて握りやすいし、伝統となっているシャッターボタンまわりの電源は握りながらサッと電源を入れられて実に良い。
そしてファインダー。EVF自体は369万ピクセルと特筆すべき解像度ではないが、のぞいてみると大きくて明るくてクリアで気持ちいいのだ。見た瞬間にびっくりする。
EVFのパネルのみならずレンズにもこだわっているのだろう。ファインダーをのぞいて撮りたくなるのだ。
ファインダー内表示を切り替えるディスプレイボタンが親指ですぐ押しやすいところにあるのもいい。ヒストグラムや水準器、細かい撮影情報を表示したい時もあれば、構図に集中するため余計な情報は出したくない時もあるわけで、それを瞬時に切り替えられるのだ。
で、被写体を狙ってシャッターを押す。シャッターボタンの感触はすごくストイックな感じだ。
連写H+にすると連写時のブラックアウトをほとんど感じないのもいい。連写は最高で秒14コマだ。
AF周りはちょっと使い勝手が変わった。AFモード選択画面を見てもらえるとよく分かる。
人物瞳検出と動物瞳検出がAFエリアモード選択画面に吸収され、オートエリアにとワイドエリアそれぞれに「人物」と「動物」検出付が加わりAFエリア関連が1つにまとまったわけだ。
多くのカメラはAFエリア選択と人物/動物検出オンオフが別項目になってるけど、Z 6IIでは1つに統合しており、とりあえず、人を撮ったり猫を撮ったりしたい身には便利である。
AFポイントは275点。手動でAF枠を合わせたいときは、背面モニターで撮るときはタッチAFを使えばいいし、そうじゃない時はスティックを使う。
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