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ドキドキが視聴者に伝わるゲーム実況向け“ゲーミング腕時計” ガーミンが開発 実際に試してみた(2/2 ページ)

» 2021年02月09日 14時30分 公開
[吉川大貴ITmedia]
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実際に使ってみた ゲーム実況は盛り上がる?

 記者もSTR3AMUP!を実際に使い、ゲーム実況を配信してみた。

 使用した配信ソフトはOBS。ホラーゲームやシューティングゲーム、パーティーゲームなど、記者が持っているタイトルのうち、心拍数やストレスが大きく変化しそうなものを遊んだ。ただし、記者は多くのファンがいる配信者ではないので、数人の友人に雑談しながらプレイを見てもらって試した。

photo 「PAYDAY 2」をプレイする様子

 結論からいえば、配信は記者が思っていたより盛り上がった。特にステルス(敵に見えないように隠れること)要素のあるタイトルや、緊張感のあるリアル志向なシューティングゲーム、ホラーゲームなどでは数値が大きく動くため、友人たちの反応も良かった。

 具体的には1人称視点のシューティングゲームである「Escape from Tarkov」「PAYDAY 2」やホラーゲームの「The Sinking City」などが盛り上がった。一方で、昨今話題のパーティーゲーム「Among Us」などはあまり盛り上がらなかった。

 友人たちによれば「よく知っているゲームのため、マッチの展開に集中してしまい、心拍数まであまり注目できなかった」という。とはいえ、これはあくまでゲームが大好きな記者とその友人間での話だ。タレントやバーチャルYouTuber(VTuber)など、ゲームに詳しくない人も大勢見るような配信であれば、視聴者の反応も変わってくるかもしれない。

photo 「Apex Legends」をプレイする様子

 eスポーツとして人気のシューティングゲーム「Apex Legends」「Fortnite」(フォートナイト)もあまり盛り上がらなかった。友人たちによれば「プレイの腕に注目してしまい、数値が頭に入らなかった」という。実際に実況動画などに使う際は、ゲームの上手さや珍プレイではなく、配信者のリアクションを重視した企画を考える必要があるだろう。

普通のGPSウォッチとしても使える

 ゲーム実況に役立ちそうなINSTINCT Esports Editionだが、もちろん普通のGPSウォッチとしても使える。コンパニオンアプリ「Garmin Connect」を使ってスマートフォンと連携すれば、計測した心拍数やストレス、歩数、消費カロリー、睡眠時間やBody Batteryを確認できる。

 単体でも、音と振動を使ったメトロノーム、心拍数なども同時に計測できるストップウォッチ、スマホにメールや電話があった際にアラートを発する機能などを搭載している。バッテリーの駆動時間は公称で約2週間(STR3AMUP!との連携機能を使う場合は約80時間)。今回は試用のため、丸2週間は使用していないが、1度フル充電すれば1週間使っても消費バッテリーは全体の半分ほどだった。

ただし不便な点も

 一方で不便に思った点もある。1つは、STR3AMUP!を使って画面に表示できるUIがシンプルすぎる点だ。色こそ調整できるが、ゲームによってはプレイ画面と雰囲気が合わず、悪目立ちする。

 もう1つはウォッチの見た目だ。記者の好みもあるが、成人男性が常に着けているには少し子供っぽく感じた。山登りや釣りなどのレジャー用と割り切れば悪くないが、心拍数などを記録するには常に身に着けている必要がある。着る服や出掛ける場所によっては「もう少しシンプルな見た目なら良いのに」と思うこともあった。

GPSウォッチとしては平凡だが…

 INSTINCT Esports EditionはGPSウォッチとしては平凡だが、STR3AMUP!との連携はユニークだ。簡単な設定でゲーム実況動画に工夫を加えられる。すでにPCや配信ソフトなどの環境がそろっているのであれば、動画にひとひねりを加える手段として一考の余地があるだろう。

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