政府の接触確認アプリ「COCOA」で発生した不具合について、アプリの開発や運用を担当する厚生労働省が2月18日、内閣官房IT総合戦略室(IT室)との検証チームを立ち上げると発表した。
新たに発足する「COCOA不具合調査・再発防止策検討チーム」は内閣審議官をトップとして、IT室の政府CIO補佐官などで構成する。メンバーにはエンジニアの民間団体「コード・フォー・ジャパン」(東京都文京区)の関治之代表など10数人が名を連ねた。今後、不具合が発生した経緯を調査しつつ、アプリ機能の改善を図る。
厚労省は2月3日、Android版アプリで新型コロナウイルス陽性者と接触通知がユーザーに送られない不具合が見つかったと発表。その後、iOS版アプリでも初期化される不具合が発覚した。このため、18日からAndroidとiOS向けに不具合を修正したアップデートをリリースした。
これに関し、平井卓也デジタル改革担当相は19日の会見で検証チームの本拠地を内閣官房とする考えを明らかにした。米Appleと米Googleの共通通信規格が「1国1アプリ」「保健当局の開発」としていることから、これまでアプリの所管は厚労省だった。このため、アプリの運用は引き続き厚労省が主導するが、アプリの開発・改修、不具合への対応は今後IT室が主導する。
ネット上の技術者コミュニティーの指摘が不具合発覚のきっかけだったことから、外部の有識者や民間技術者コミュニティーとの連携についても検討する。
平井大臣は「今後不具合があったときは私が記者会見することになる」と説明しつつ、厚労省が指摘を放置していたことを踏まえ「これまでは不具合の指摘があっても(結果的に)無視していた。今後は(自分の所管となったため)メンバーとともに指摘を注視し、指摘をありがたく承りたい」と話した。
「デジタル庁発足後は、こうした国にとって重要で緊急的なシステムは、デジタル庁が関係省庁との連携の上、自ら開発し、リリースまで担う。今回の事案への対応を経験値としてデジタル庁の設置準備にも生かしたい」(平井大臣)
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