米NVIDIAは4月12日(現地時間)、オンラインで開催の年次カンファレンス「GTC 2021」で、同社としては初になるデータセンター向けCPU「Grace」(コードネーム、由来はCOBOL開発で知られる科学者、グレース・ホッパー氏)を発表した。「複雑なAIと構成のコンピューティングワークロードで現在最速とされるサーバの10倍の性能を提供するArmベースのプロセッサ」と謳う。
ジェンスン・フアンCEOは「Armの技術を採用することで、NVIDIAはGraceを巨大規模のAIおよびHPC専用のCPUとして設計した。GPUおよびDPU(データ処理装置)と組み合わせることで、Graceは、コンピューティングのための3番目の基盤テクノロジーと、AIを進歩させるためにデータセンターを再構築する機能を提供する。NVIDIAは今や、3つのプロセッサを提供する企業になった」と語った。NVIDIAは昨年9月、英Armをソフトバンクから買収することで合意した(まだ完了していない)。
Graceは、数十億ものパラメータを含むAIモデルのトレーニングで現在ボトルネックになっているCPUの問題を解するために、GPUと緊密に結合できるCPUとして開発された。
スイス国立スーパーコンピューティングセンター(CSCS)と米エネルギー省ロスアラモス国立研究所が、Grace搭載のスーパーコンピュータを構築する計画を発表した。いずれも製造は米HPE(Hewlett Packard Enterprise)が担う。2023年稼働の見込みだ。
発表の録画はYouTubeで公開されている。1時間3分21秒目くらいから。
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