米NVIDIAが6月23日(現地時間)にβ版を公開したイラスト作成ツール「NVIDIA Canvas」。同社が開発したAI技術「GauGAN」(ゴーギャン)を活用しており、ベタ塗りの落書きを風景写真のようなイラストに変換できる。「風景を無限に作れる」「素人でも簡単に背景を描ける」として、公開直後からSNSでも話題になっている。
イラストの心得がなくても風景画が描けるこのツール。そこで学生時代、美術の成績が5段階評価で2だった記者が実際に体験し、絵が下手な人でもクオリティーの高い作品が作れるのか、ツールの使い心地を確かめた。使ってみると、絵の上手さだけでない別のスキルが求められることが分かった。
NVIDIA CanvusはNVIDIA製のGPU「RTX」シリーズとWindows 10を搭載したPCで動作する。今回、記者はGPUに「GeForce RTX 3060 Ti」、CPUに米AMDの「Ryzen 7 3700X」、16GBのメモリを搭載したPCで、マウスを使ってイラストを作成した。
ツール内には「山」「森」「岩」など15種類のペンがあり、これらを使ってキャンバスAにイラストを描く。するとAIがイラストを自動で変換し、キャンバスBに反映する。
例えば山のペンでキャンバスAに三角形を描くと、キャンバスBに風景写真のような山が現れる。ペンは他にも「雲」「水」「雪」「霧」「空」などがあり、これらを組み合わせてイラストを作る。
イラストの雰囲気を9種類で切り替える機能も搭載。それぞれ光の当たり具合や色味が異なり、絵のイメージを変えられる。
通常のイラスト制作ソフトと同様、直線、消しゴム、塗りつぶし、スポイトツールも備える。ペンの太さも調整可能で、キャンバスA・Bどちらかを非表示にすることも可能だ。それぞれのキャンバスにズームイン・ズームアウトすることもできる。
イラストのレイヤー分けも可能で、ファイルはPNGかPSD形式で出力できる。PSDの場合はレイヤー構造も保存できるため、「Photoshop」などで改めて編集できる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR