AIベンチャーのSpectee(東京都千代田区)は7月12日、鹿児島県薩摩川内市で10日に発生した河川氾濫を受け、AIを使って浸水範囲を可視化した同市の地図を公開した。同社が開発している、SNSに投稿された現地の画像などを基に水害の範囲を推定するAIを活用。集めた画像などから5分程度で地図を作成したという。
公開したのは市内にある川内駅周辺の2D、3D地図。いずれも水害の範囲だけでなく、浸水した深さも推定して可視化した。氾濫初期にSNSに投稿された現地の画像に加え、河川、道路に設置したカメラの映像なども活用したという。
AIはSpecteeが独自に開発したもので、SNSの画像やカメラ映像と、同社が集めた現地の降水量や地形データを基に浸水状況を分析する仕組み。1枚の画像から10km四方の浸水状況を推定できるため、夜間や悪天候時でも水害の範囲を把握しやすいという。
Specteeは薩摩川内市以外に、熊本県の球磨川流域や神奈川県平塚市の金目川でも、実証実験として同様の取り組みを行っている。「被害状況を分かりやすく可視化し、災害対応の迅速化に役立てることを目指す」(同社)といい、今後は自治体や工場、電力会社などでの利用を見込み、AIの開発を進めるとしている。
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