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» 2021年09月02日 20時57分 公開

「私はデジタルの専門家でもエンジニアでもない」――石倉洋子デジタル監の発言が話題に 質疑での発言全文

デジタル庁の事務方トップ「デジタル監」に就任した石倉洋子氏の発足式での発言が物議を呼んでいる。石倉デジタル監は報道陣との質疑応答で何を言っていたのか。一問一答形式でまとめた。石倉デジタル監はPythonに挑戦した経験もあるという。

[樋口隆充,ITmedia]

 菅政権の肝いり政策として、9月1日に発足したデジタル庁。その事務方トップ「デジタル監」に就任した石倉洋子氏が、同日の発足式で「私はデジタルの専門家でもエンジニアでもない」と発言し、その部分を切り抜いたスクリーンショットがTwitterで話題になっている。

 石倉デジタル監は実際にどんな発言をしていたのか。報道陣との質疑内容を、平井卓也デジタル大臣の発言内容とともに一問一答形式でまとめた。

photo 発足式に参加した石倉デジタル監(左)と平井大臣(出典:デジタル庁公式Webサイト)

マイナンバーカード普及に対する認識

── デジタル庁の重要なミッションはマイナンバーカードの普及だが、普及にはマイナポイントの加算が必要と考える。そのようなことを検討しているか?

平井大臣 マイナンバーカードがデジタル社会のパスポートだと言っているのは、本人確認がベースになっていないと安心安全なデジタル社会ができないことが一つ。カードが(運転免許証や健康保険証など)いろいろと情報連携することで便利になる。ワクチン接種記録もマイナポータルから見れるように来年から見れるようになるし、その前の段階のサービスもいろいろできる。是非マイナンバーカードを持ってもらいたい。

 われわれが目指しているのは今まで日本ではなかなかなかったプッシュ型のサービス。申請主義からの脱却だ。申請も簡単だし、(カードがあれば)申請がなくても給付ができるようになる。そういう意味でもマイナンバーカードはデジタル庁にとって非常に重要な政策であることは間違いない。

石倉デジタル監 私はマイナンバーカードを割とすぐに取得した。早く取得するのはいいと思ったので。そうすると、いろいろな企業で仕事をしていたので、給料、講演料をもらうためにマイナンバーとカードの裏表(のコピー)を送らないといけないことが多かった。それも簡易書留で送ってくれと。結構面倒だなと思った。

 だが、住民票の発行などで結構役に立つことが多い。昔は区役所まで行かないといけなかったが、今はコンビニで発行できる。それも最近まで知らなくて、よく見たらコンビニでできるじゃんということがあった。それが分かってからはかなり使うようになった。マイナンバーカードを皆さんに持ってもらうことは重要で、保有者が増えれば、できることがもっと増えるが、その前に皆さんに持ってもらわないといけない。

 そのためには丁寧な説明が必要。いいことをちゃんとお伝えして、運転免許証や健康保険証をカバーできるような形になるべく早くできればと思う。

どのように官僚機構と向き合うのか

── 今回のデジタル監の話を受けた時に、どんな感想を抱いたか。行政組織で働いた経験がないが、どのように官僚機構と向き合っていくのか

石倉デジタル監 私は基本的には新しい機会をもらったらみんなするというスタンス。機会は一度逃したら二度と帰ってこないことが結構ある。あの時、ああすればよかったという後悔は絶対にしたくない。やった上での後悔のほうが全然いい。

 これまでいろいろな形で仕事を変えてきた。働く場所を変えてきたのは確か。新しい機会なので、怖いというより、楽しい、ひょっとしたら新しい世界が広がるかもしれないと思っている。以前した仕事で、世界が広がり、世界の一流の人たちと会う機会ができた。一生でこんな機会はあまりないので、いろいろ大変だろうが、やるかという感じ。

 行政組織での経験に関しては、大学にはいたが、プロフェッショナルな組織にいた時間が長い。デジタル監になるまで、学生にはこれからは個人で勝負する時代と言っていた。でも、自分がやらないと申し訳ないなと思い、じゃ、やろうかと。行政組織にフルタイムで参画した経験がないので、何とかしようと思っている。

石倉氏はデジタルとどう向き合ってきたか

── 平井大臣はデジタル監の資質に「デジタルへの深い理解」ということを挙げていた。これまでデジタルとどう向き合ってきたか?

石倉デジタル監 私はデジタルの専門家でもエンジニアでもない。そういう意味ではデジタルの知識がある人間ではない。新しいことは一応やってみたいスタイルなので、初めてのプログラミングというオンライン講座の受講や、WordPressもやった。Pythonにもチャレンジしたが、今のところ挫折している状況。

 やってみると、ここが難しい、すごいなということが分かる。プログラミングを学んだ時に、8週間から12週間学んだが、死にそうだった。全然課題が終わらなかったが、学んだこともある。日本企業は全部完璧にしてから、やるスタイルが多いが、プログラミングの世界ではそれでは全然だめだと分かった。

 プロトタイピングを作ってしまって、どこが間違っているかを探すのは至難の業だからだ。作る度に少しずつ試して、動いたら次に行くことが重要と分かった。こういうことをやりたいができるかと(デジタル庁の周囲の人に)聞くと、テクノロジーの力でほとんどできてしまう。自分ではできないが、やりたいことはたくさんあるので、どうやればできるかを教えてほしい。その辺が、デジタルの重要な原則かなと思っている。

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