メインホールは華やかな光と8Bitのゲームフォントで飾られている。何台ものロボット風のNPC(ノンプレイヤーキャラクター)に話しかけてみると「『つながりのカケラ』というアイテムが足りない」という返事が。VR会場内のあちこちに隠されているこのアイテムを探すことで、自分のアバターに着せるTシャツを入手できるという。VR会場全体を使った宝探しゲームを遊べるのだ。
来場者同士で発見したアイテムや展示の話をして楽しむこともできる。「アピールメッセージ」に好きなゲームなどを登録しておけば、アバター姿でもお互いに話しかけやすくなる。同じゲームのファン同士で盛り上がり、一緒に会場内を巡ることも可能だ。こうしたファン同士のコミュニケーションもサポートしている点に感心した。
VR会場はメインホールに加えて3つのエリアに分かれていて、出展企業が展示物や宣伝ポスターなどを設置している。従来の四角いブースで区切られた展示会場と異なり、各エリアの世界観に溶け込んでいた。これまでは派手に飾り音を鳴らして観客を集める手法が一般的だったが、今回のVR会場では宣伝らしさは控えめだ。世界観にうまく溶け込んでいたからこそ、興味あるコンテンツのデモ動画を見たくなる魅力があった。
東京ゲームショウのVR会場は1996年の初開催以来、初めての試みだ。全国どこからでも参加でき、ハイスペックPCを使わないVRヘッドセットでもクオリティーの高いVR空間に入ってイベントを体験できる。コロナ禍でVRイベントの盛り上がりもあり、東京ゲームショウ2021主催者のVR展示会に対する強い意欲を感じ取れた。
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