12月22日には、政府がISMAPのリストを更新。新たにさくらのクラウドや、インターネットイニシアティブの「IIJ GIO インフラストラクチャーP2」、富士通クラウドテクノロジーズの「ニフクラ/FJcloud-V」といったクラウド基盤を追加した。
すでにガバメントクラウド入りしている米Amazon Web Servicesと米Googleに加え、日本オラクル、NEC、NTTデータ、さくらインターネット、日本マイクロソフト、NTTコミュニケーションズ、富士通、富士通クラウドテクノロジーズ、インターネットイニシアティブ、日立製作所、KDDIの計13社のクラウド基盤がISMAP入りしたことになる。
つまりこれらのサービスにも、ガバメントクラウド入りの可能性があるわけだ。さくらインターネット以外ではこのうち、日本マイクロソフト、日本オラクル、NEC、NTTデータが参入を検討中と日経XTECHが報じている。
中でも日本マイクロソフトは11月、クラウド基盤「Microsoft Azure」について、デジタル庁向けの専任チームを立ち上げる方針を発表しており、ガバメントクラウド入りに積極的とみられる。
ただ、ISMAPに追加されたからといって、ガバメントクラウド入りが約束されたわけではない。特に国産ベンダーにとっては、セキュリティ対策の強化やサーバ規模の拡大など、まだまだ超えるべき壁が多いとみられる。
実際、さくらインターネットの田中社長はガバメントクラウドに求められる基準について、コンピューティングリソースやセキュリティ対策など、さまざまな面で海外ベンダーのような規模がないと達成は難しいとみている。
この状況を踏まえ、さくらインターネットは「GPUの性能を提供するサービスやCDN(コンテンツ・デリバリー・ネットワーク:複数サーバでコンテンツを配信する技術)だけはさくらに」「政府のシステム基盤はAWSやGCPだが、地方自治体はさくらに」など、主要な基盤ではなく部分的な利用を見込んだ戦略を検討しているという。
他の国内ベンダーも同様に、AWSやGCPと真正面から戦う以外の戦略が必要になるだろう。ガバメントクラウド参入に向け、各社が既存のサービスを強化したり、新サービスを開発したりする可能性もある。一方、日本マイクロソフトのように、海外クラウドベンダーの日本法人が、日本向けの施策を強化することも考えられる。
いずれにせよ、ガバメントクラウドを巡るデジタル庁や企業の動きは2022年も活発になるだろう。まずは次回の公募にどの企業が応札し、採択されるかに注目が集まりそうだ。
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