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CES 2022オンライン向けプレスカンファレンス映像を「格付け」する(2/7 ページ)

» 2022年01月30日 17時32分 公開
[西田宗千佳ITmedia]

Hisense

 中国系家電メーカーのHisenseはテレビを軸にした発表だった。ビデオのプレミア配信ではなく、ビデオと会場でのプレゼンテーションを交えた形で進められた。

 説明の後ろにプレゼン資料が大写しになっていて、時折その資料だけの表示に切り替わる、というスタイル。正直さほど工夫されたやり方でもないのだが、情報は見やすいし、映像にもそれなりの変化があるので見ていて飽きにくい。

 このやり方もコロナ禍でのスタンダードの1つだが、ずいぶん洗練されてきたように思う。

photo 壇上でプレゼンしつつ、背景に商品や市場概況などの資料が表示されるスタイル。突飛ではないが見やすい
photo 資料も整理されていて分かりやすい。壇上のスクリーンに合わせたアスペクト比なので、横に長いのが残念

評価:☆☆☆

パナソニック

 パナソニックも、動画を事前作成してプレミア公開するパターンに近い。ただ、LGのように全体を作りんでいるわけではなく、作り込んだ映像とスタジオでのプレゼンテーショントークが入り混じるような構成だ。

 2021年に比べると映像は見やすくなったが、カンファレンスとしての構成はまだ課題が多い。

 サステナビリティーや教育支援が重要とはいえ、そうした話を長々と前半で展開するのはどうかと思う。プレゼンテーションも、単に担当者が話している様子が流れるだけで、資料などが同時に表示される場面も少なく、一本調子で理解しづらかった。一方で、商品の話は最後に駆け足でやりすぎてもったいない。

 話す人の「顔」が重要なのか、それとも製品や数字などが重要なのか。その点のバランスをもう少し考え直した方がいい。プレスカンファレンスのビデオは「会社紹介」ではないのだ。

photo パナソニックの楠見雄規新社長が、CO2削減を中心とした環境対策についてプレゼン。内容は重要なのだが
photo 壇上で話すタイプの説明では、資料などの表示が少なく分かりづらい面も
photo 自動車関連でのAR活用など、興味深い内容も
photo 製品発表はかなり駆け足。同社にとってコンシューマー事業が主軸ではないのは分かるが、ちょっともったいない構成だ

評価:☆☆

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