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CES 2022オンライン向けプレスカンファレンス映像を「格付け」する(1/7 ページ)

» 2022年01月30日 17時32分 公開
[西田宗千佳ITmedia]

 毎年1月、米ラスベガスでは、世界最大級のテクノロジーイベント「CES」が開催される。2021年は完全オンラインだったが、今年2022年はオンラインとリアルのハイブリッド開催となった。

 とはいえ、直前に出展を取りやめた企業も多いし、取材をオンラインに切り替えた記者も少なくない。筆者も渡米を諦め、オンラインに切り替えた人間の1人だ。

 2021年は、まだオンラインイベントに不慣れな企業も多かったため、プレスカンファレンスの出来も、企業によって相当レベルが違っていた。

 では今年はどうだろう?  昨年と同じように、出席した8つのプレスカンファレンス+キーノートの格付けをして、変化を確認してみたい。

この記事について

この記事は、毎週月曜日に配信されているメールマガジン『小寺・西田の「マンデーランチビュッフェ」』から、一部を転載したものです。今回の記事は2022年1月10日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額660円・税込)の申し込みはこちらから

内容より「見やすさ」「分かりやすさ」で評価

 格付けの前にレギュレーションを決めておこう。

 基本は「発表内容ではなく映像の質と分かりやすさで評価する」こと。対象とするのはプレスカンファレンスだが、サムスンの基調講演はプレスカンファレンスを兼ねていたので、こちらは対象とする。プレスカンファレンスに加え、オンライン上で追加コンテンツが公表されていることもあるが、こちらは基本的に含まない。

 プレスデーに開催されたプレスカンファレンスは15ある。このうち、筆者が参加できたのは8社分なので、その8社をチェック対象とする。

 以下、プレスカンファレンスの開催時間順に紹介していくが、角付けは「星(最高5つ星)」で行い、合わせて概要も紹介する。

 YouTubeに公開されているプレスカンファレンス映像のリンクも紹介しておくので、気になる方はチェックしていただければと思う。

LGエレクトロニクス

 ご存じ、韓国系の家電メーカー。総合家電メーカーとしてCESで存在感を発揮できる企業は、もはやLGとサムスンの韓国系2社と、Hisenseなどいくつかの中国系だけ。そういう意味では、あらゆるジャンルの製品を扱うプレスカンファレンスはすでに少数派といえる。

 その辺も影響しているのか、非常に作り込んだ映像なのだが、商品紹介に特化しており、まるで通販番組のようにも見える。ただ、そんなLGのカンファレンスからも、2021年と違い、ある製品の姿が消えた。同社がスマートフォン事業から撤退したため、スマホの新製品の姿はない。

 会場は一切使わず、作り込んだビデオを流す「プレミア配信」に近い形。昨今のIT大手が行う発表イベントに近いやり方だ。

 一方で、発表内容の薄さもあってか、いまひとつ心に残る話題がない、一本調子なイベントにも思えた。

photo 作り込んだセットからCEOが挨拶するいつもの展開
photo 新製品群を寸劇的に見せていく。かなり凝った作り
photo ロボットやモビリティに注力するLGらしく、デリバリー用ロボットも紹介
photo ビデオの最後のメイキングを見ると、まあ、確かにお金はかかっているのが分かる

評価:☆☆☆☆

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