テーブルストックのシリーズを食べていて最も感心するのは、そのおいしさ以前に、湯煎したり、レンジで温めた麺が、とても簡単にほぐれることだ。ほとんど麺が丸まったり固まったりしていない。皿にあけて少し混ぜるだけで、すぐにほぐれるし、皿を使わずに容器から直接食べても、麺はきれいにほぐれるのだ。もともと保存食の方は容器から直接食べることを想定していて自立するし、切り口の危険が少ない容器になっているのだが、このほぐれやすさが、何より食べやすさにつながっていると思う。
ボロネーゼやナポリタン、海老クリームのパスタを家で食べる時は、私は皿にあけてからバターを一欠片入れてかき混ぜ、粉チーズを掛けて食べる。これでもう十分にご馳走だ。味がしっかりしていて麺が美味しいから満足感も十分。カップ焼きそば的な製品や、茹で麺に市販のソースを掛けたスパゲッティといった、インスタント食品とは明らかに一線を引ける味なのだ。
これが、常温で1年、5年と保存出来るのだから、買い置きしていても、いつの間にか食べてしまう。ローリングストックに最適の製品群なのだ。
ただ、最初の方で書いたように、普通に美味しくとても便利だから、かえって製品の特殊性やすごさにつながらず、よくあるレトルト食品というような扱いを受けてしまう。要するに、ちょっと分かりにくい上に知名度がないのだ。
山梨の食品加工メーカーが立ち上げたベンチャー的なブランドだから、そうそう大々的に展開はできない。とはいえ、電子レンジ版の2製品は、現在、関東圏のファミリーマートで購入できるし、今後もさまざまな展開が決まっている。
どこかで、この製品を見かけたら、とりあえず試してほしい。もしかしたら、試しても普通においしく食べてしまうだけかもしれない。私がそうだったのだけど、「こういうのって今までなかったなあ」ということに気がつけば、食べるのがさらに楽しみになる。災害時にも楽しみになる食品が増えるのは、とてもうれしいことだと思うのだ。
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