米航空宇宙局(NASA)は4月20日(現地時間)、火星から撮影した日食の様子を捉えた動画をYouTubeで公開した。火星探査機「パーサヴィアランス」から火星の衛星である「フォボス」が太陽の前を通過する様子を撮影したもの。撮影日は4月2日で、映像の尺は49秒。そのうち30秒程度でフォボスが太陽の前を通過する様子が収められている。
2019年にも、火星での日食の様子を動画として撮影することに成功していたが、解像度が低く白黒の動画であった。今回は、次世代撮影機器である「Mastcam-Z」を新たに使用。カラーでの撮影に成功し、これまでで最もフレームレートが高く、ズームインで映像を撮影できたとしている。
Mastcam-Zカメラ操作チームのレイチェル・ハウソンさんは「良いものになるとは思っていたが、これほど素晴らしいとは思っていなかった」と喜びのコメントを寄せている。
フォボスの直径は約20kmほどで、月の約157分の1の大きさの衛星。フォボスの動きを観測することで、月の軌道や月の重力がどのように火星表面に影響しているのかが分かり、それは火星の地殻やマントルを形成する成分などの理解にも役立つという。
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