東京大学宇宙線研究所などの国際研究チームは4月7日、135億光年先の宇宙に存在する銀河の候補「HD1」を発見したと発表した。これまでに見つかっていた最遠方の銀河は134億光年先にあったが、HD1はそれよりも1億光年遠く、1億年古い特徴を持つという。
研究チームは、すばる望遠鏡など4種類の地上望遠鏡による、合計1200時間以上の観測によって得た70万個以上の天体データを分析し、HD1を発見した。
実際にHD1を発見した播金優一助教は「銀河の探索条件を変えながら何度も画像データを調べ上げて、数カ月かけてやっとHD1に出会うことができた。HD1の色は赤く、135億年前の銀河の予想される特徴と驚くほどよく一致しており、見つけた時には少し鳥肌が立った」とコメントしている。
HD1のような明るい天体がビッグバン後わずか3億年の宇宙に既に存在することは、これまでの銀河形成モデルでは予言されていなかったという。
今後は、米航空宇宙局(NASA)が21年に打ち上げた、巨大な宇宙望遠鏡「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」でHD1の正確な距離を測定する予定という。
この研究成果は、米国の天体物理学専門誌「アストロフィジカル・ジャーナル」に4月8日付で掲載される。
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