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イーロン・マスク氏、EUのデジタルサービス法(DSA)に賛意

» 2022年05月11日 10時01分 公開
[ITmedia]

 米Twitterの買収で合意したイーロン・マスク氏は4月10日(現地時間)に欧州委員会のティエリー・ブルトン委員(域内市場担当)がツイートした動画で、欧州連合(EU)が間もなく法制化する「Digital Services Act(DSA:デジタルサービス法)」について「私の考えと一致する」と賛意を示した。


 この動画は、マスク氏が経営する米Teslaがテキサス州に開設した新たな電気自動車製造拠点をブルトン氏が訪れた際に撮影したものだ。

 2人はTwitterという具体的な社名は口にしなかったものの、DSAはSNS大手などに違法コンテンツの迅速な削除などを義務付ける法案であり、マスク氏が関わる企業の中で対象となるのは(まだ買収は完了していないが)Twitterだ。

 ブレトン氏は動画の冒頭で、「マスク氏にはDSAについて理解していただけたと思う」と語り、マスク氏は「(DSAは)私の考えに完全に一致すると思うし、非常に同意する。素晴らしい話し合いだった」と語った。

 breton イーロン・マスク氏(左)とティエリー・ブルトン氏(ブルトン氏のツイートより)

 DSAでは、SNS企業に対し、アルゴリズムの説明や研究者へのデータ提供を義務付ける見込みだ。マスク氏は、Twitterのコードのオープンソース化を構想している。この点では「一致」している。

 DSAはまた、SNS上のコンテンツによって引き起こされる可能性のある社会的リスクをプラットフォームが特定し、規制することも要求する見込みだ。マスク氏は言論の自由は尊重しつつ、違法なコンテンツは取り締まるとしてはいるが、そのための具体的な対策についてはまだ提示していない。

 DSAは、EU人口の10%に当たる4500万人以上のユーザーを擁する企業を大手と定義し、大手が違反した場合は年間売上高の最大6%の罰金を科す。Twitterは地域別のユーザー数を開示していないが、直近の業績発表によると、世界全体でのmDAU(広告を閲覧した、収益につながる日間アクティブユーザー数)は2億2900万人だった。

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