いきなり筆者の話で恐縮だが、先日、東京都から神奈川県横浜市に“テレワーク移住”した。賃貸が契約更新の時期に差し掛かっていたが、入社以来ずっとテレワークで会社に行く機会が少ないので、都内にいる意味もないと思い引っ越した。
結果としては満足だったが、引っ越しやその準備に当たっては、過去の経験と勝手が違って戸惑うことが多々あった。本記事では、筆者がテレワーク移住時にぶつかった壁をレポートする。
そもそも筆者が都内に住んでいたのは、東京都千代田区にあるオフィスへのアクセスを良くするためだった。もともとは横浜に住んでいたが「毎日会社に行くなら東京に住んだほうがいいはず」と考え、2020年4月の入社に合わせて池袋周辺に引っ越した。
しかし、新型コロナウイルスの感染拡大と重なり、アイティメディアは筆者の入社と同タイミングで在宅勤務を実施。配属先のITmedia NEWS編集部も同様だった。その後、弊社は働く場所を従業員が選択できる「スマートワーク制度」を正式に導入。感染収束後も継続することが決まり、せっかく東京に引っ越したのに出社することがほぼなくなった。あまりに会社に行かなかったので配属直後にこんな記事を書いたほどだ。
参考記事:「出社の仕方が分かりません」新卒筆者が語る“コロナ世代”のホンネ
たまに出社したり、発表会や会見に出席したりすることもあるが、多くても週に1〜2回。これなら横浜でも対応できる。つまり都内にいる意味がなくなったわけだ。そこでテレワーク移住を決めた。
引っ越すに当たっては、多少家賃が上がってもいいので、どうせなら実家近くの横浜近辺で、今より広い部屋がいいと考えていた。当時、隣人がなぜか毎朝大声でAKB48の曲の歌詞を音読するせいで、早起きせざるを得ないという悩みを抱えていたので、静かな場所だとなおうれしい。しかし、いざ部屋探しや準備を進めるといくつかの壁にぶち当たった。
まず、単身でのテレワーク移住にちょうどいい物件が見つからない問題に直面した。筆者は当初、以下のような条件で物件を探していた。
しかしいざ部屋を探すと、条件に合う物件が見つからない。物件の空いたり埋まったりが活発になる3〜4月に部屋を探していたにもかかわらず、とにかくいい部屋が見つからなかった。
「前の引っ越しのときはもう少し部屋を見つけやすかった気がするんだけどな」と思っていくつかの不動産屋に聞いてみると、部屋がないのには理由があることが分かった。どうやら筆者と同じことを考えている人が多いらしい。
そもそも筆者が探しているような物件は、一般にはファミリーやカップル向けの部屋だ。こういった家族向けの部屋は一度人が入ると、その後しばらく空きにくい。良い条件の物件ならなおさらだ。業種や職種によっては、テレワークの普及によって転勤が減ったことも影響しているかもしれない。
しかし筆者と同じように都内から神奈川県、埼玉県、千葉県などへのテレワーク移住を考えている人は増えており、良い物件を巡る競争は激しくなっているという。つまり、ただでさえ空いていない物件を単身者で取り合っているわけだ。
とはいえ、せっかく引っ越しをするのだから妥協はしたくない。仕事終わりや隣人にたたき起こされた朝の時間を使って必死に部屋を探した。当初は1種類のスマートフォンアプリだけを使って部屋を探していたが「これは難航するかもしれないぞ」と思い、途中から複数のアプリを使うスタイルに変更。結果、間取りのみ1LDKではなく2DKになったが、後はほぼ希望通りの物件を見つけられた。
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