積層型センサーとAIプロセッシング。この2つを生かした最初の機種がX-H2Sというわけである。
もう全方位から強化してきた感じだけど3つの点に注目したい。
1つは静止画。被写体検出AFに、前述の高速なAFにAF/AE追従で最高秒40コマのブラックアウトフリー連写。さらにボディ内手ブレ補正は低周波から高周波(つまりスローシャッター時のゆっくりしたブレから望遠時に問題となる細かくて速いブレ)まで対応する。
EVFは576万ドットと高精細になってフレームレートは約120fpsだ。
まとめれば、X-H2Sはスポーツや動物など動体の撮影に強いカメラに特化してきたのだ。今までの富士フイルムのカメラにはあまりなかったテイストだ。
2つめは動画。6.2Kで30P、4Kでは120Pを実現した。さらにProResにも対応。
プロ向けの映像機材として、拡張性も高く、バッテリー内蔵の縦位置グリップにはLAN端子が搭載されてリモート撮影や高速なファイル転送にも対応だ。
3つめは操作系。
もともと前モデルである「X-H1」は深くて握りやすいグリップを持ち、趣味性が高いX-Tに対して実用性が高いX−Hというテイストのだったが、X-H2Sではさらに違いが出てきた。
X-H1はX-Tシリーズと同じく、「PASM」という撮影モードは持たず、独立したシャッタースピードダイヤルとISO感度ダイヤルとレンズの絞りダイヤルでコントロールする方式だったが、X-H2SではPASMの撮影モードダイヤルを持つ操作体系に変更した。
これは(X-T4の操作系が好きで使ってる身としては)動画撮影を重視したためだと思いたい。
また、X-H1では3方向のチルト式モニターだったのに対し、X-H2Sはバリアングルに変更された。
こうしてみると、X-H2Sは今までのXシリーズとはテイストが異なり、動体やスポーツの撮影、さらには動画ユーザー向けのカメラなのだなと思う。
同時に「XF 150-600mm F5.6-8 R LM OIS WR」という超望遠ズームレンズが発表されたのもそれを裏付けている。
これで今回の新製品発表は終わりか、と思いきや、発表会の最後にもう1つの製品が発表された。
開発発表ではあるが、さらなるフラッグシップ機「X-H2」だ。4000万画素の「X-Trans CMOS 5 HR」を搭載。X-H2Sがスピードと動画にフォーカスした製品であるのに対し、X-H2はXシリーズらしい静止画の画質重視のモデルだ。
いつ正式発表になるかは分からないが、次のX Summitは9月に開催するという言葉があったので、きっとそのときだろう。
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