さて、M2になって気になるのはそのパフォーマンス。さっそくベンチマークテストにかけてみよう。
使用したのは、おなじみGeekbench 5と3D Mark Wild Life Benchmark。ちなみに取材機はCPU8コア、GPU10コア、16GBメモリ、1TB SSDという26万4800円という、ちょっと豪華な仕様だった。
Geekbench 5の結果は当然ながら、M2 MacBook Pro 13インチとほぼ同じ。
M1 MacBook Airに対して比べると、CPUシングルコアで12%、マルチコアでは22%向上している。GPUはOpen CLで50%、Metalで60%も向上している。
また3D Mark Wild Life Benchmarkの結果も高い数字をマークしており、同じく50%ほどの性能向上を果たしている。これは大きい。
GPUコアが2コア増えているという仕様的なアドバンテージもあるが、それを考え合わせてもGPUパフォーマンスが大幅に向上しているとみていいだろう。
また、M2チップには、M1 Pro以上の仕様のチップセットに搭載されたメディアエンジンが搭載されているので、Apple ProResのビデオエンコード/デコードなどで大きなアドバンテージを発揮するはずだ。
これらも合わせて考えると、MacBook Airはファンを持たない静音、薄型モデルであるにも関わらず、特にビデオ編集において高い性能を発揮する仕様となっている。
ファンを持たないのだから高温になる場所で高負荷で使い続けるのは難しいかもしれないが、M2チップの性能のおかげでほとんどの高度な作業をこなせる軽量薄型高性能なマシンになったといえるだろう。特に、一般の方でもビデオ編集の機会が増えている昨今、8Kを含む重い動画の処理も楽々こなせる性能を与えられているのは大きな安心材料だ。
さらに、温度の高い場所で長時間にわたって負荷のかかる作業を行うのであれば、M1 Pro、M1 Maxを搭載したMacBook Proという選択肢もある。とはいえかなりの部分までM2 MacBook Airがカバーできるようになった。
唯一、残念なのが、円安が反映された価格で、最も廉価な8コアCPU、8コアGPU、8GBメモリ、256GB SSDのモデルで16万4800円、8コアCPU、10コアGPU、8GBメモリ、512GB SSDのモデルになると20万8800円と、入門用モデルとは言い難い価格になってしまったことだ。米国ではそれぞれ1199ドル、1499ドルなので、これは為替相場を恨むしかない。
数あるMacの中で一番多くの人に普及するであろうMacBook Airが、薄く、軽く、静かで、スタイリッシュな製品としてリニューアルしたことは歓迎したい。経済力が許すなら、お勧めできるニュースタンダードだ。
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