2022年7月6日、バッファローの「おもいでばこ」に新シリーズとして「PD-2000」が発売された。
本記事の読者層向けに「バッファローの」と書いたが、実際の「おもいでばこ」ユーザーは、バッファローというメーカーのことはほとんど何も知らないはずである。なぜならば、本体にもリモコンにもBUFFALOの赤いロゴはどこにもなく、本体底の製造番号シールのところに小さく「Buffalo Inc.」と書いてあるだけだからだ。
われわれIT/PC系オジサンの知るバッファローは、ヨドバシやビックカメラのストレージ売り場やLAN売り場の目立つ場所にやたらと箱を積み上げるメーカーであり、アキバの裏通りで「玄人志向」シリーズを売るメーカーだ(現在はグループ内の別会社)。ストレージやルータは、その時々で最も最新規格に対応し、最も速く、そして店頭に早く並ぶことが求められる。競合他社が2万9800円で売れば、2万9500円で売るような、ヒリヒリしたビジネスだ。
一方「おもいでばこ」は、そのバッファローから20光年ぐらい遠い場所にあるプロダクトと言える。失礼、「おもいでばこ」の説明を何もしてなかった。
「おもいでばこ」は今を去ること11年前、すなわち2011年に初代モデルが登場した、デジタル写真を保存し、鑑賞するためのストレージである。
初代PD-100シリーズ、2015年よりPD-1000シリーズ、そして今年、PD-2000シリーズが登場したというわけだ。間に容量違いやマイナーアップデートなどのバリエーション展開を含むが、実に息の長い製品である。
筆者はPD-100シリーズ、PD-1000シリーズと使い続け、この度PD-2000シリーズのユーザーとなった。そしてその間に、写真に対する環境や考え方は大きく変わった。今回は、写真保存の11年を、「おもいでばこ」の歴史とともに紐解いてみたい。
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