Googleさんのオリジナルスマートフォン「Pixel」シリーズの最新お手頃版「Pixel 6a」が7月28日に発売です。米国の449ドルという価格は円安の今、6万円超えてもおかしくないところ(AppleはiPhoneを日本で大幅に値上げしました)、Google公式ストアでの販売価格は5月の発表当時のまま、5万3900円です。
Pixelの「a」シリーズは、ハイエンドの無印と「Pro」の機能を低価格で体験してもらおう、というコンセプト。リフレッシュレートが普通だったり無線充電できなかったりする代わり、Pixel 6aはプロセッサにGoogleが誇る「Tensor」を搭載するので、AI関連の機能はだいたい遜色なく使えます。
Pixel 6/6 Proで「もうPhotoshopなくてもいいかも」と(ちょっと)思わせられた「消しゴムマジック」などの写真関連ツールも使えます。
Pixel 6aの発売に合わせ、新たに「消しゴムマジック」と同じくらい実用的なツール「カモフラージュ」も使えるようになります。たぶん、Pixel 6a発売と同時期にPixel 6/6 Proでも使えるようになるでしょう。
フランス語のcamouflageは、直訳すると偽装とか、カメレオンなどの「隠蔽擬態」とか、つまり周囲の風景に溶け込んで目立たなくするという意味。迷彩柄とかもそう呼ばれます。
Pixelのカモフラージュは、選んだオブジェクトを消す代わりに周囲の色に近い色に変えて、目立たなくさせます。
消しゴムマジックは、写っていて欲しくなかった物体を後から消すのに便利ですが、条件が悪いと消したのに影だけ残ったり、空間が歪んでいるみたいになったりしちゃいます。
カモフラージュは目立って欲しくなかった物体を後から目立たなくするのです。撮影するときに余計なものをどけられればいいんですが、そうもいかないときに便利。
私もやってみました。これ、ポートレートモードで特に役立つと思います。下の例は、撮りたい対象の後ろにとってつけたように赤いラベルのペットボトルを置いて、それを目立たなくさせてみました。ポートレートモードでボケてるオブジェクトを削除すると、結構わざとらしくなる(右端)ので、カモフラージュの方がいいですね。
消しゴムマジックの場合と同様に、GoogleのAIがカモフラージュしたいかも、という部分を自動的に選んでくれますが、違う、そうじゃない、という場合は(消しゴムマジック同様に)カモフラージュしたいものを円で囲んで選択できます。
だいたいの範囲を選ぶと、AIがオブジェクトだと認識するかたまりとして選択してくれます。
さすがAI。でもAIには融通がきかないところもあります。カモフラージュの基本的な方法は、オブジェクトを選び、その背景の色を判断し、オブジェクトの色を背景の色に近づける、というものなので、背景がぱきーんと2色だったりすると、どっちかの色にしか合わせられません。
例えば、下の画像は黄色と赤の2色の床の上にいるカメレオンくん。このカメレオンがきっかり黄色と赤にカモフラージュできると面白いですが……。
わずかでも面積が多い方の色に合わせた色になります。つまり、赤が多いと、黄色の上にはみ出してる体も赤になります。逆も同じく。
カメレオンくんより面積を等分にしやすそうな正方形の付箋紙でトライ。
たぶん、人間の私は真ん中に置いたつもりでも、AIから見ると赤に入っている面積の方が多いんでしょう。
だから何? という実験。実際に使うときに、こんな極端な状況になることはないと思います。AIって面白いなぁという話でした。
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