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話題の「AI絵師」って受け入れられる? 編集部メンバーで議論してみた(3/3 ページ)

» 2022年10月06日 16時00分 公開
[吉川大貴ITmedia]
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「アマチュアAI絵師」が増えるとどうなる? みんなで考えてみた

リモたん ここまで仕事になるかどうかの視点で話してましたけど、アマチュアとして楽しむのであれば話は別ですよね。AIを使って絵を描くという趣味はこれから拡大するはず。

ヨシカワ それは間違いないですよね。僕も実際遊んでます。

リモたん ただ、その中でAIの絵を誰かのものと偽ろうとしたり、先日の台風であったようなフェイクとして使ったりする人が出るのは避けられないので、対策が必要だと思います。普及が早すぎて、対応が遅れがちになるのが怖い。

 参考記事:静岡県の水害巡りフェイク画像が拡散 画像生成AIを利用 投稿者はデマと認めるも「ざまあw」と開き直り

ヤマー 人間の絵とAIの絵が混在し始めているので、アドビとかが取り入れている「画像にメタデータを埋め込んで偽装を防ぐ仕組み」とかを今のうちに実装しておかないと、区別がつかなくなりそうですよね。絵がどう作られたかをたどる手段を生成物に付与しておかないとまずい気がします。

 参考記事:Photoshopに“作者証明”機能 メタデータを剥がされても復元可能、NFTマーケットとも連携

ヨシカワ すでにそうなりつつはありますけど、収拾がつかなくなっちゃいそうですよね。

ヤマー 正直、「Stable Diffusion」が出たくらいまでは「これはMidjourneyの絵だな」とか、絵のタッチとかでなんとなく分かったじゃないですか。でも最近はもう判別がつかなくなりつつあるので、対策方法を整備しておくべきだと思います。

リモたん 偽装を防ぐ仕組みサービス提供者側も考えたほうがいい、というのは「mimic」の一件で明らかになりましたよね。ただ、海外の事業者はどうなんだろう、という。私もその辺りには注目しています。

 参考記事:AIイラスト生成「mimic」、β版の全機能を停止 不正利用などの課題を改善次第、正式版をリリース

サイトウ AIの絵を鑑定するという観点、面白いですね。また仕事になるかの話に戻ってしまいますが。

ヨシカワ といいますと?

サイトウ 例えばピカソの絵も、本人が描いた絵は何億円もしますよね。一方で、模写したものはいくらよくできていても贋作。AIも同じで、いくらオリジナルとそっくりな画風でも、仮に本人以上だったとしても、やっぱり贋作と見なされてしまうんじゃないかなあ。

タニイ 同じ絵でも、“推し”の絵師本人が描いた絵とAIが描いた絵だったら、本人の方を買いますよね。

サイトウ 本当に作者が描いたかどうかの証明は、今後重要になる気がします。

じゃあAI絵師を何て呼び変えたらいいんだ問題

ヤマー 話が戻ってしまいますけど、やっぱり「AI絵師」って名前が良くないですよね。ここで余計な混乱が生まれている。やってることはどちらかといえば編集者やプロデューサーに近いと思うんですよ。

 絵師はAIであって、人間はAIが分かるようにあの手この手で要望を伝える立場でしかない。指示にテクニックの差はあれど、あくまでも描くのはAIなので。

タニイ 今回の件も、正しく名付けるなら「AI絵師のディレクター」ですよね。あくまで方向性を示す立場なので。

ヤマー それだ! 略すなら「AID」とか? どうやって呼べばいいんだろう……。

ヨシカワ いい言葉が全然思い付かないw ここでみんなが納得できる言葉が広まると、もう少し受け入れられやすくなるかもしれませんね。



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