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中判でしか撮れない絵がそこにある、ハッセルブラッド「X2D 100C」を試した荻窪圭のデジカメレビュープラス(5/8 ページ)

» 2022年10月15日 08時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]

中判センサーならではの豊かな画質がすばらしい

 今回ボディと一緒に借りたレンズは「XCD 38V」(38mm。35mm判換算で29mm相当)とXCD 55V(55mm。35mm判換算で43mm相当)の2本。新デザインのレンズは精悍でカッコいい。

X2Dと2本のレンズ。XCD 38VとXCD 55V(ボディに装着)だ。何気にレンズキャップもカッコいい。レンズにはフードも同梱される

 まずはその38mmを付けてガスタンク。

 X2DはRAWでもJPEGでも撮れるが、たいていのカメラが搭載しているようなビビッドやナチュラルといった画作りの選択や彩度・シャドウ部の階調といった細かいコントロールは一切ない。

 基本的に、RAWで撮影して画作りは自分で行うカメラ、という位置づけだからだ。なのでJPEGで撮ってもあまり派手な絵にはならない。他社のカメラでいうフラットに近い感じ。

 RAWで撮影するときは色深度を14bitか16bitか選べる。16bitなら281兆もの色を表現できるが、14bitの方がデータ量が少ない分サクサクと撮れる。

 なので今回はRAWで撮って現像し、できるだけナチュラルな感じでJPEG化したものを掲載することにした。1億画素もあるとファイルサイズも大きくなるので、1枚あたり10MB前後に収まるようちょっと圧縮率は高めにしてある。

 純正の現像ソフトとしてPhocusが用意されているが今回は使い慣れている「Adobe Lightroom」を使用した。

ガスタンク。ナチュラルで地味目だが、そこは現像時に必要に応じてさせたりさっぱりさせたりしゃっきりさせたりすべし。元の画質は非常によいのだ(38mm 1/180秒 F11 ISO64)

 さすがに1億画素の絵を等倍で開いてみる人も少ないだろうから、ポイントだけを拡大して見せたい。

 中央のガスタンクについてる避雷針をよく見ると、避雷針に平行して細いケーブルがついている。それがしっかり写っているのが分かる。

中央部ガスタンクの避雷針を等倍表示したもの。避雷針回りの細かいケーブルもきちんと描写できてるし、エッジも滑らかでこれぞ1億画素って写りだ

 さすがリアル1億画素の描写力+解像力が高いレンズの組み合わせだ。

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