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携帯の大規模障害にどう備える? フルローミングかデュアルSIMか キャリアと官庁の考えは房野麻子「モバイル新時代」(1/4 ページ)

» 2022年11月14日 11時07分 公開
[房野麻子ITmedia]

 今夏7月2日に発生したKDDIの大規模障害では、auやUQ mobile、KDDIの携帯電話ネットワークを利用するMVNOの携帯電話が2日間以上使えなくなった。

 携帯電話が使えない期間が長かったこと、データ通信や音声通話だけでなく、警察や消防への緊急通報もつながりにくくなったことから政府も問題視し、8月3日の臨時記者会見で当時の金子恭之総務大臣が検討会を立ちあげると発言していた。

 それを受けて現在、総務省では「非常時における事業者間ローミング等に関する検討会」が開催されている。検討会では、ユーザーが臨時的に他の事業者のネットワークを利用する「事業者間ローミング」などによって、継続的に通信サービスを利用できる環境を整備することを目指す。特に緊急通報については、現状約6割が携帯電話による通報。命に関わることでもあるので、非常時でも確実に通報できる仕組みを整えることが急務だ。

総務省の「非常時における事業者間ローミング等に関する検討会」では、災害時や通信障害時に他事業者のネットワークを利用する事業者間ローミングなどについて検討。第1回会合 総務省事務局の資料より

 検討会には外部有識者や携帯電話事業者のほか、緊急通報を受理する警察庁や消防庁、海上保安庁も参画している。

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