通信事業者4社はいずれも、非常時の事業者間ローミングについて賛同している。ただ、フルローミングについては対応に時間がかかるとして、緊急通報のみのローミングを優先して取り組むべきという姿勢だ。
また、キャリアからは2社の回線を契約して切り替えて使える「デュアルSIM」を推進すべきという意見もある。KDDIの高橋誠社長は11月2日の決算説明会で「デュアルSIMで対応できないか、我々から各社に声がけをしている。合意があれば実現できる」と発言。ソフトバンクの宮川潤一社長も「デュアルSIMを4社で、できるだけ安価に提供することを検討したい」と語った。ドコモの井伊基之社長も「デュアルSIMは進めていきたい。選ばれる側になりたい」と前向きだ。
デュアルSIMに対応したスマホはiPhoneやPixelをはじめ数多く、オンラインで契約、すぐに開通するeSIMに対応する機種も増えてきている。KDDIのオンライン専用プラン「povo」は、契約だけなら0円だ(ただし、180日間以上有料トッピングを購入しない場合は利用停止になる場合がある)。バックアップ回線として契約している人もいるだろう。こうしたサービスを他社も提供すれば、どこかが被災、故障しても無事な他事業者の回線にすぐ接続できる。
一方、関係事業者として検討会に参加しているインターネットイニシアティブ(IIJ)は、7月のKDDIの障害で、IIJmioのフルMVNO基盤で提供しているデータ専用eSIMの7月2日、1日の申し込み数が「6月平均の8倍になった」と説明。利用者に利便性を提供できるビジネスを行っており、「既存ビジネスの芽を摘むことがないようにしてほしい」と注文している。
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