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インボイスで漫画家の2割が廃業も? 危機感抱くエンタメ業界 声優・アニメ・演劇団体と共同記者会見(5/5 ページ)

» 2022年11月16日 17時38分 公開
[岡田有花ITmedia]
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演劇人も2割が「インボイスで廃業を検討」

 演劇業界も実情は同じだ。俳優や劇作家、照明・美術など演劇に関わる人を対象に10〜11月に行ったアンケートでは、72%が個人事業主であり、うち7割が演劇以外の仕事(アルバイト)もしていると、インボイス制度を考える演劇人の会の丸尾聡さん(劇作家・演出家・俳優)が説明する。

 「インボイス制度が導入されたら、廃業する可能性がある」と答えた人は約2割。声優やアニメ業界と同じだ。「コロナ禍で文化庁が募集した『文化芸術活動の継続支援事業』に申し込んだフリーランスは8万人。うち2割の1万6000人が廃業したら、この国の文化はどうなる? 憲法で保障される文化的な生活は守られるのか?」

 コロナ禍以降、演劇界は大きな犠牲を強いられてきた。度重なる公演中止・延期……今も客足は完全には戻らず、いつ公演が中止されるか分からないストレスの中、「なぜ、今インボイスなのか?」という声は大きい。「ギャラは上がらず、物価高の中、業界を直撃するインボイスが始まろうとしている。このままだと日本の文化芸術の未来は先細る」

 4団体は記者会見の後、インボイス問題を検討する超党派議員のヒアリングに参加。今後も、他の団体も巻き込みながらインボイス反対の声をあげ、議員への説明など、ロビー活動を続けていく。

画像 STOP!インボイス
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