政府の後押しもあり、スタートアップだけでなく日本を代表するような大企業も、Web3への取り組みに手を挙げる例が目立ってきた。直近では、NTTドコモがWeb3に6000億円投資すると発表している(記事参照)。
一方で「なぜ大企業がWeb3?」と訝(いぶか)しむ声も多い。Web3の最も普及した利用例である仮想通貨をみれば、世界的に活躍しているのは専業のスタートアップであり、決して伝統的な大企業ではないからだ。
三菱UFJ銀行(MUFG)が11月21日に開催した「MUFG Innovation Forum」では、「web3で世界は大きく変わる/大企業はweb3にどう向き合うのか」と題し、まさに日本を代表する大企業であるMUFG自身を含め、大企業がなぜWeb3に取り組むのかが語られた。
MUFGにとって、Web3というのは危機をもたらすものの1つとして、見張っていかなくてはならないもののようだ。三菱UFJ銀行 コーポレートバンキング部門長補佐の堀江伸氏は、Web3に注目する理由を3つ挙げた。
まずWeb3が「アンチ中央集権」「アンチ大企業」に立脚している点だ。典型的な大企業であるMUFGとしては「こういう動きが社会に広がっていくなら、それとどう折り合いを付けていくかは考えていかなくてはいけない」というのが1つ。
そしてWeb1が電話産業、Web2が出版と広告産業を破壊したのに続き、Web3は金融を大きく破壊する可能性があることだ。「銀行は、ほかのどの産業よりも真剣に、Web3を自分のこととして考えるべきだ」
3つ目は、Web3なら海外勢を巻き返せるという期待だ。「Web2では米国や中国に、日本は置いていかれた。Web3ではそうならないように準備したい。日本のやり方はWeb3に親和性があり、米国との対比でも面白い位置にある」
では幅広いWeb3の要素の中で、どんな領域に日本企業の勝機があるのだろうか。伊藤穰一氏は、プロトコル、アプリケーション、コンテンツという要素の立ち位置が、Web2とWeb3でどう変わるのかを次の図で説明した。
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