セキュリティートークンとは、既存の有価証券をブロックチェーン上のトークンにひも付けたもの。トークン化することで、非上場の有価証券でも小口化して管理がしやすく、さらにRDB(リレーショナルデータベース)よりも、複数の関係者が同じ情報にアクセスしやすい。
さらに、ブロックチェーン上で動くプログラムであるスマートコントラクトを使うことで、間に仲介業者が入らなくても、個人間の取引の信用リスクをなくすことができる。
progmatでは、法改正を受けて可能になる円建てのステーブルコインについても準備を進めている。そこでは、異なるパーミッションド・ブロックチェーンをまたいでステーブルコインをやり取りするクロスチェーンや、イーサリアムなどのパーミッションレス・ブロックチェーンとのやり取りを可能にするマルチチェーンも構想中だ。
「モノとカネを同時に動かすには、ブロックチェーン上でお金が動く必要がある。できれば、いろんなチェーンを超えて、単一のステーブルコインが使えることが望ましい」(齊藤氏)
Web3というと、独自トークンの発行や革新的なブロックチェーン技術をイメージする人も多いが、登壇者の共通認識は、それだけがWeb3ではないということだ。
齊藤氏は「いわゆる仮想通貨のような、無から有を生み出すのだけがブロックチェーンのアプリケーションではない」と話す。
伊藤氏は世界を変革するようなドラスティックな技術に基づくWeb3を「やんちゃなWeb3」と呼び、日本企業が向かうべきなのは「大人なWeb3」だとした。
「役に立つ大人なWeb3は日本がきっちりやるべきだ。例えば、イーサリアムのバリデータ(取引の正しさを検証するコンピュータの運営者)を見ると、BinanceとかCoinBaseとかは、大企業だけどMUFGとかソニーに比べれば有名企業ではない。ソニーのような企業が、リアルなインダストリー用Web3を作るには、今がいいタイミングだ」
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR