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バルミューダの流れをくむ「雑貨家電」という新潮流 〜誕生の背景と課題知らないと損!?業界最前線(4/6 ページ)

» 2022年11月28日 07時00分 公開

海外工場でのファブレス生産で、小規模メーカーも参入

 雑貨系家電ブランドが、手軽に家電を企画・生産できるようになった背景には、家電のファブレス生産が広がっていったことがある。それまで家電を製品化するためには量産工場が必要だった。しかし90年代以降、中国の沿岸部には多くのOEM・ODM向け生産工場が誕生。さらに工場のデジタル化や技術革新により、小ロットでも家電の開発製造が行えるようになっていった。

香港では、OEM工場が出展する家電生産の展示会が、メーカー向けに数多く開催されている。ここで工場が生産した製品を確認し、生産を依頼できる

 自社で工場や生産ライン、金型を持たなければ、大きな資金がなくても家電の企画ができる。しかもデジタル機器と異なり、雑貨系家電の多くは機能、構造も非常にシンプルなので、開発コストはそれほど重くない。リソースをデザインに向けられるというわけだ。

 こうした時代の流れも手伝って、デザインを重視したファブレス雑貨系家電メーカーやブランドが数多く登場した。この中には15年にトースターで大ヒットを飛ばしたバルミューダも含まれている。

10年に「GreenFan」(22年モデル実勢価格3万9600円)、15年に「BALMUDA The Toaster」(写真、20年モデル実勢価格2万7940円)を生み出したバルミューダも新しいファブレスメーカーの1つ

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