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バルミューダの流れをくむ「雑貨家電」という新潮流 〜誕生の背景と課題知らないと損!?業界最前線(5/6 ページ)

» 2022年11月28日 07時00分 公開

今後は、デザインと価格・機能のバランスが求められる

 近年、数多く登場している雑貨系家電ブランドの勢いは、いまや大手家電メーカーを凌いでいる。これらメーカーやブランドは、洗濯機や冷蔵庫などの大型家電こそ手掛けていないが、ホットプレートやトースター、フードプロセッサーなどの小型調理家電では、発売される製品数はすでに大手よりも雑貨系家電メーカーの製品のほうが多い。

 しかし一方で、雑貨系家電のリスクも増えている。先に紹介したBRUNOやレコルトなどは日本国内に拠点を置き、製品開発は国内で行っているが、近年、中国のOEM工場などの製品に、ほぼそのままブランド名だけ付けてAmazonなどで販売されるケースが急増しているのだ。

若い女性をターゲットにした可愛らしいデザインの家電がそろうレコルト。「エアオーブントースター」(実勢価格1万7600円)は、デザインだけでなく、トーストとノンフライ調理ができて、しかも置き場所を取らない

 このケースの問題は、それなりに良いデザインを採用しており、仕様を見ただけでは違いがほとんど分からないことにある。しかし実際に購入すると、操作体系やマニュアルがほとんど日本語化されていなかったり、品質面やサポート面において問題があったりする製品も少なくない。

 こういった正体不明のブランドが増えていくと、せっかく盛り上がっている雑貨系家電の信頼性が毀損してしまう可能性がある。手軽さやデザインの良さで人気を集めた雑貨系家電だが、今やデザインがいいだけの安い家電は、名もなき海外ブランドからいくらでも出てくる。つまり、これからの雑貨系家電には、それらとの差別化が求められているのだ。

レトロなデザインが売りの雑貨系家電のラドンナは、キングジムグループのブランドだ。近年発売した「Toffy 全自動ミル付カスタムドリップコーヒーメーカー」(実勢価格2万9720円)は、味や品質を追求した高価格商品

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