近年、数多く登場している雑貨系家電ブランドの勢いは、いまや大手家電メーカーを凌いでいる。これらメーカーやブランドは、洗濯機や冷蔵庫などの大型家電こそ手掛けていないが、ホットプレートやトースター、フードプロセッサーなどの小型調理家電では、発売される製品数はすでに大手よりも雑貨系家電メーカーの製品のほうが多い。
しかし一方で、雑貨系家電のリスクも増えている。先に紹介したBRUNOやレコルトなどは日本国内に拠点を置き、製品開発は国内で行っているが、近年、中国のOEM工場などの製品に、ほぼそのままブランド名だけ付けてAmazonなどで販売されるケースが急増しているのだ。
このケースの問題は、それなりに良いデザインを採用しており、仕様を見ただけでは違いがほとんど分からないことにある。しかし実際に購入すると、操作体系やマニュアルがほとんど日本語化されていなかったり、品質面やサポート面において問題があったりする製品も少なくない。
こういった正体不明のブランドが増えていくと、せっかく盛り上がっている雑貨系家電の信頼性が毀損してしまう可能性がある。手軽さやデザインの良さで人気を集めた雑貨系家電だが、今やデザインがいいだけの安い家電は、名もなき海外ブランドからいくらでも出てくる。つまり、これからの雑貨系家電には、それらとの差別化が求められているのだ。
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