話が変わってきたのは、9月にFire TVの機能を統合するアップデートがアナウンスされてからだ。実際のアップデートはつい最近のことで、最初設定メニューからアップデートを行なってみたが、アナウンスされていた機能が中途半端にしか実装されていなかった。
変だなと思って初期化してからもう一度アップデートしたら、アナウンス通りの機能が実装された。
以前からAmazon Primeはフル画面で視聴する事ができたが、他のサービスはブラウザ内でしか視聴できなかった。それが今のFire TV同様、他のサービスも横並びで利用できるようになった。加えて第3世代のFireリモコンもペアリングできる。手元にFire TV 4Kのリモコンがあったので、試しにペアリングしてみたところ、問題なく利用できるようになった。
アップデートされたEcho Show 15は、リモコンのホームボタンを押すだけで、Echo ShowのホームとFire TVのホームを行ったり来たりできる。要するにEcho ShowとFire TVのハイブリッド端末になったわけだ。こうなってくると、壁掛けにしておくのはもったいない。早速専用スタンドを使って、仕事机の脇に配置した。
早速ABEMAでワールドカップのハイライトをチラ見しながら、この原稿を書いているところである。こういう端末は、ありそうでなかった。世の中には15インチ程度の格安小型テレビはあるが、筆者の環境だとアンテナ線が届かない。アンテナをつながずFire TV Stickを挿すという手はあるが、それならEcho Show 15があるじゃないか、という事である。
こうした流しっぱなしディスプレイがそばにあると、ストリーミングサービスで見たいコンテンツも変わる。映画やドラマのようにガッツリ見るものではなく、聞き流せるニュース番組が欲しくなる。これまでFire TVでは「NHKプラス」など見たことがなかったが、こうしたデスクサイドディスプレイでは案外NHKプラスがキラーコンテンツになるのではないだろうか。
Echo Show 15のFire TV化は、これまで用途で迷走してきたスマートディスプレイに、一定の解を与えたといえる。今後EchoやAlexaの開発チームが縮小した場合、Echo Showの今後はFire TVチームにバトンを渡す可能性もある。
一方スマートスピーカーのEchoシリーズは、Alexaのサービスが停止しても、Amazon Music専用スピーカーという立ち位置が残る。むしろ空間オーディオ対応スピーカーは他社サウンドバーに取られている現状があり、「サービス+ハード」のエコシステムが壊れている。
Alexa事業がうまくいかないからといって、ハードウェアまで道連れになるには惜しい。Amazonは、「Alexa抜きのEcho」まで後退できるだろうか。しかしそこまで割り切っても、多くの人にとって、Echoの役割はそれほど変わらないのではないだろうか。
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