HubbleはHubble社の提供する契約書管理クラウドサービスである。ContractS CLMとは違い、最初からレビュー、承認、締結などは外部サービスを利用する前提で機能を提供している。前述の通り、日本におけるCLMを1つのサービスだけで完結させることが難しい以上、非常に現実的なアプローチだ。
作成機能は、WordやGoogleドキュメントをベースにしながら、ドキュメントツールが苦手なバージョン管理や差異分析、コメント機能などをHubble独自の機能として提供している。日本の契約書レビューの多くはWord上で行われてきたが、校閲機能は法務が使用するにはやや機能不足であり、バージョン管理もできないことから、かなりアナログな対応を強いられており、これが法務のリソースを圧迫していた。ここに絞って、法務にとって最適なバージョン管理やコメント機能を掘り下げて進化させてきたのがHubbleである。
また、管理機能も電子契約サービスと連携して締結したPDFをひも付けたり、契約書を解析して取引先や契約期間などを抜き出して契約台帳を作成するなど、アナログで属人化しがちだった部分をうまくデジタル化している。Hubbleを通して契約書を作成し、レビュー、承認、締結を経て、最終的な契約書がHubble上に保管され、契約台帳も兼ねる、という状態を実現することで、最小の労力での契約書管理を実現している。
また、契約プロセスにおいて情報が断絶されがちだった社内と社外のコミュニケーション部分においても、解決方法を提供しようとしている。まずはSlack/Microsoft Teamsとの連携を強化し、コメントなどがHubbleに集約されるようにしている。さらには、外部リンク共有機能を提供することで、Wordファイルをダウンロードしてメールに添付するというアナログなやり取りを排除し、Hubble上にある最新の契約書を相手先に直接共有することができるようになった。
契約書のデータを保管したり、共有したりするだけであれば、Dropboxやboxなどのクラウドストレージでも可能であるが、バージョン管理やコメントのログ、契約台帳も兼ねた形で実現できるのがHubbleの強みである。法務という領域で、かつ、作成と管理に狭く深く特化したからこそ、多くの企業法務に選ばれるサービスになっている。電子契約を導入しても、契約書ファイルの管理が煩雑になってしまっている企業は導入を検討するといいだろう。
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