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「遊んで稼ぐ」は実現可能か? コロプラ創業者が挑む、持続可能なブロックチェーンゲームとは(4/4 ページ)

» 2022年12月27日 14時50分 公開
[岡田有花ITmedia]
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 今メタバースが盛り上がっていますが、いつか全てが、仮想に流れていきます。人がそこで生活するには経済性が必要です。これが今までのゲームにはなくて、仮想通貨やNFTと、とても相性が良い。

 例えば、メタバースでフェラーリに乗りたいとき、勝手にフェラーリのモデルを作ると偽物ですが、フェラーリ社が1台1000万円で限定販売して、本物だと表示されるようになれば、偽のフェラーリに乗ることがダサくなる。どんなブランドでもそういうことが行われていくと思います。

 でも、現実世界を見た時、それでは解決しないものがあって、われわれはそれを解決しようとしています。それを解決することが報酬になっている。今まで誰も証明できなかったことを、ゲームの力で証明したい。Proof of Gamingです。

 ブロックチェーンがないと生まれなかった種類のゲームです。「なんでこんなことをさせるんだろう?」と思うような、見たことないゲームです。この仕組みは、ゲームの一部ならあり得るし、実際にあるんですけど、単体ではゲームにならない。それが、ブロックチェーンがあるから、成立しそうなんです。

 プロジェクト名は「マッスル」です。筋肉は必要ですが、筋トレではないですよ。体は動かしますが、歩くことは関係ない。来年(2023年)の4〜5月にまず、機能を限定したβ版を公開する計画です。

 マルチプラットフォームで出そうとしています。iOS版も出せれば出したい。App Storeの規約でNFTゲームがダメなので、どうなるか分かりませんが。

 僕、だいぶ業界をけなしましたが、僕が作っているものも、問題を100%解決するかは分からない。自信があるかないかというと中庸です。僕の仮説が正しければワークするし、間違っていれば失敗すると思うので……新しすぎるので、成功の確率は高くないです。

 もしすべてが100%うまくいけば、日本を代表する産業になり得るパワーを持っています。リアルな世界でそれぐらいの市場規模があるものを別の世界に持ってきて、そのまま再現できたらそうなる。達成確率は低いですけど。

ゲームの進化を作りたい

 既存のものには興味がなくて、新しいものが好きなんです。新しい種類のゲームに、すごく興味がある。新しい価値を足すゲームを作りたい。だからブロックチェーンもやりたくて。

 ゲームはそうやって進化してきました。もともとは、大きなコンピュータでブロック崩しなどから始まり、端末が小さくなり、ネットワークゲームになって他人とコミュニケーションできたり、スマホでどこでも持ち出せたり……。初期にゲームを開発した人は、ゲームがコミュニケーションになるなんて思っていなかったでしょう。

 「歩く」「移動する」を、おそらく世界で初めてゲームにした「コロプラ」を作った時、「移動がゲームになるわけない」と言われていました。今や「Pokemon GO」や「ドラゴンクエストウォーク」、STEPNもですが、移動はゲームになり、一定のポジションを確保しています。

 ゲームで稼ぐことは、人々が直感的に「楽しい」「面白い」「いいな」と思う要素の一つですから、これがインプリされたものが出てくれば、ほぼ全てのゲームに薄く、広く入っていくのではないかと思っています。全部が全部そうなるとは思わないけれど、ちょっとずつ。

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