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テレビ出演でアクセス数が平時の40倍に サブスク「BASE FOOD」のECがそれでも無事だったワケクラウド事例ウォッチ

» 2023年01月30日 10時55分 公開
[ITmedia]

連載:クラウド事例ウォッチ

クラウド事業者が公開しているクラウドインフラの活用事例から、事業や業務効率化の参考になるものをピックアップ。IaaS・PaaSが実現するビジネスの可能性をコンパクトにお届けする。

 食品のサブスクリプション販売を手掛けるベースフード。同社はこれまで、サブスク購入を受け付けるECサイトにおいて、ショッピングカート機能などの提供にクラウド型CMSを活用していた。しかし利用者や商品の種類が増えたことをきっかけにAWSへ移行。結果、テレビで紹介され、アクセスが集中したときも、問題なくサービスを提供できたという。AWSジャパンが1月27日までに発表した

 ベースフードは2016年創業。「1食で1日に必要な栄養素の3分の1を摂取できる完全栄養食」をうたうパン「BASE BREAD」やパスタ「BASE PASTA」などをサブスク販売している。22年11月時点で、定期購入者数は計15万人以上という。商品は自社ECサイトから提供している。

photo ベースフードの商品(AWSジャパンの発表から引用)

 同社は20年5月まで、ECサイトをクラウド型のCMSと、AWSで構築したシステムを併用して運用していた。ショッピングカート機能などはCMSで、サブスクリプションの管理などをAWS上のシステムで行う形だ。

 しかし、商品の種類が増え、利用者が増えていくうちに、ECサイトはより自由度の高い管理・運用が求められるようになってきた。そこで、CMSで提供していた機能なども、AWSを活用した自社開発のシステムに一本化することに決めた。

photo 一本化したシステムの構成図(AWSジャパンの発表から引用)

 AWSへの一本化に当たっては、マネージドなキューイング(アプリ間でデータを受け渡す際、いったん別の場所に預けることで可用性を高める)サービス「Amazon Simple Queue Service」などを活用。20年5月にリリースした。これにより、急にアクセスが集中したタイミングでもサービスを安定して提供できるようになったという。

 例えば21年12月、同社がテレビで紹介された時には、アクセスが平時の約40倍になった。しかし、サーバの規模を拡縮するなどして、安定してサービスを提供できたという。

 ECサイトの一本化を終えた後には、販売実績やユーザーの嗜好を調べる分析基盤もAWSで構築した。ECサイトのデータをリアルタイムに収集し、BI(ビジネスインテリジェンス)ツールで確認できる環境を21年に整えたという。

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